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猪八皿を年男が共食い

東麻布のLa Luneに思い立って予約なく訪問する。
わざわざ行くには微妙な場所だけに、通りすがりのランチに
何度か立ち寄っただけだが、食堂と化しているラルテミスと
交流があって、なおかつ創意工夫がなされた皿を供する
永田シェフの店だけに、前々から一度「おまかせ」で夜に
訪問したいという念願が叶ったといえよう。
まずはどこよりもスムースな豚のリエットと小さなパンで
スタートし、天然インスリンといわれる菊芋のバニラビーンズ
入りのビューレのアミューズでスタート。帆立に金華ハムの
ようなチョリソーの細切りが添えられ、小松菜のピューレが
ソースとしてアクセントを添えられている。
オードブルは茄子とレンズ豆の煮浸しの上に、カボチャの
アイスクリームが乗って、ボタン海老とウニにコンソメの
ジュレがかけられた皿が一つ。そしてキタアカリという
北海道のじゃがいもをまるでステーキのように焼いた上に
フォアグラのソテーが乗った皿は、薄切り黒トリュフソース
で食べるので、見た目はまるで肉のアントレのようだ。
魚はカサゴのポアレで麦やチンゲンサイががっつり添えられ
トマトを煮込んだソースにクミンが利いて胃袋に喝を入れる。
グラニテで口直しの後、肉はイノシシをしっかり焼いた塊と
コラーゲンたっぷりの桜生ハムに、ビオファームまつきの
つけあわせで、半分食べたあたりで別腹に一抹の不安が…。
でもリンゴのテリーヌのタルト仕立てとカラメルアイスを
ディジェスティフで詰め込み、パリならこの値段じゃ無理、
という勘定で大満足のディナーを終える。以前から塩加減に
自分の好みがあうとは思っていたが、そこに甘みのエッセンス
が絶妙に加わっているのが、永田シェフの真骨頂と再発見。
ロケーションがイマイチで、ちょっと夏っぽい皿もあるので
メディア受けしないかも知れないが、六本木ヒルズでたいして
おいしくもないセットメニューに大枚払うよりは、ほんの
10分の距離で倍以上の満足度があるのになぁ、と思う。
野菜がいっぱいだから、胃にもたれる感じは皆無。ただし
小さめのパンを食べ過ぎないことだけは要注意だ。

【肝硬変への道】

Moulin de Gassac テラスドギレム白と赤(ラングドック)
フランスのワインジャーナリストが5大シャトーと比較した
というデイリーワイン。カベルネブラン主体とグルナッシュ
主体で濃い味の野菜によくあう。

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