放送局のCSR
去年の後半から、今年にかけてCSRという言葉が
ある種のブームになっている。Corporate Social
Responsibility、つまり企業の社会的責任という
ことで、温暖化防止などが叫ばれ環境に関心を
持ちはじめたことから注目されているかも知れない。
大企業のCSR対策の冊子を見ると、もちろん環境は
前面に出てきているものの、地域社会貢献、原料
調達のプロセス、労働力のジェンダーや人権など
幅広い分野にまたがることがわかる。そこで
放送局でのCSRはどうなっているのか。
関西テレビが「あるある問題」を受けて、去年の
夏に出したいわゆる調査報告も兼ねた、番組制作
ガイドラインを見る限り、番組における適切な演出、
内容、そして役割分担について、CSRの観点から
きっちりと述べられている。しかし企業としての
姿勢はどうなのかは、はっきりとしない。
CO2排出に関しての取り組みのための努力などの
レベルでは各局で取り組んでいるし、災害時の
情報などで社会貢献は当然のことだが、こと労務面
においては、まだまだ公表できる業界ではない。
もちろん杓子定規では成り立たない、というのは
百も承知だが、材料調達がいわゆるフェアトレード
ではないということで糾弾されるメーカーもある。
改善の余地はまだまだあるし、それが出来ないと
最終的には放送業界全体の存亡の危機である。
デジタル化に関しても、かなり遅れているこの業界。
こちらの方も遅々として進まぬようでは、不祥事が
起こることは、まだまだ避けられないし、何より
誰もこの仕事につきたがらないだろう。その兆候は
既に始まっているのは、制作の末端現場で明らかだ。
« 衝撃のマルゲリータ | Main | 深夜の水餃子 »
「メディア批評」カテゴリの記事
- アメリカのニュース配信とAI化(2018.12.06)
- カリスマブロガーとレビュアー(2017.06.08)
- 「Fake News」と「Alternative Fact」(2017.02.25)
- 28年前の123便(2013.08.12)
- 31年前の自分に再会する(2013.08.08)
Comments