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「より」と「から」

新番組も2週目に入った。ディレクターの意志疎通、
企画の精度、原稿の細かなチェックポイントなどなど
初回よりは改善されているとはいうものの、まだまだ。
しかし各方面からの評判がよく、まずはホッとひと息。
先輩方から教わった、企画は実現した瞬間に古くなる
という言葉を肝に銘じて修正と柔軟な革新はこれからも
繰り返さなければなるまい。原稿チェックの段階で
気になった一言をひとつ。最近放送では特に時間の
起点としての意味でしばしば「より」という言葉を
耳にする。文法的な定義はさておき、間違いでは
ないのだけれど、いかにも文語的で、改まったいい方
なのではないだろうか。「卒業式を午前10時より
開始します」は不自然ではないが、「卒業式は何時
より始まりますか」と聞く人はいまい。結局は
ラジオのように語りかける媒体が、「より」を使う
というのは「間違いではないが適切ではない」と
思うのだ。ちなみに赤を入れた原稿は、翌日の事で
あったけれど「●●日の18時より」であった。
正しいか間違いではなく「明日の午後6時から」に
する方が、より伝わりやすいと思ったのである。
こういう話しをしていると、よく「どっちが正しく
どっちが間違い」とデジタルな判断を迫られるが、
文法的に間違っていても、伝わる事の方が大事だ
というのがボクの考え。「正しい日本語をメディアは
啓蒙すべき」という人もいるが、ラジオは昭和末期
から啓蒙するようなメディアではない。

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