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August 2008

マダガスカル日記7

【零細馬主で馬券下手】
もとの植民地を含む、フランス語圏ではPMUで
馬券を売っていることは聞いていた。パリ市内でも
TABACみたいなところで、中継映像はないものの、
馬券だけ売っている場外馬券売り場があるのは
見たことがある。モーリシャスや南アフリカという
英語圏には競馬場があるが、マダガスカルにはない
ものだからきっとPMUが盛んだろうと思ったら、
やっぱりそうだった。ヌシベのような田舎では、
掘っ立て小屋のDVDショップにPMUの看板が
あった。首都のアンタナナリヴォでは、本当に
あちらこちらにPMUの看板が点在する。洋品店、
ショッピングモールの入り口のブース、もちろん
独立店舗も点在する。そのシステムは基本的には
毎日1レースのみが売られ、5連単が中心。
競馬新聞はなく、過去の成績は載っていない、
出馬表と裏に簡単な解説がある両面コピーを
もらって、宝くじのように高配当を狙うのが
スタイルである。店頭にはフランスギャロの
緑のPMUの看板と共に、昨日の配当が大きく
張り出されている。投票の締切りは2時間以上
前のようである。結果はラジオ中継が頼りだ。
しかし目抜き通りに鉄火場の匂いがする、
ひときわ大きな建物があるので、ドライバーに
頼んでいってみたところ、そこだけはまさに
ウインズ浅草を彷彿とさせる桃源郷であった。
当日はラ・フォンテーヌの開催を中継していた。
次のレースはスミヨン、ペリエ、ティエリ。
知ってる騎手が3連単ではまるとおいしいなと
予想していたら、隣の馬券オヤジが、その面の
レースは全て締め切って、後半の裏面に突入した
と親切にも教えてくれた。果たしてレース結果は…。
そういうときに限って来るんだなこれが。

P1000335

入り口の上にある緑の看板にある
スローガンは日本と同じ「CLUB COURSE」
つまり「CLUB KEIBA」だ。

P1000336

ゴール前であまり声が出ないのが
この国の国民性のようだ。

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マダガスカル日記6

マダガスカルはニセモノ天国である。ブランド品の
ニセモノはあふれているが、例えばグッチのTシャツ
などでも、ありえないほどベタな贋作デザイン。
ナイキのスポーツウェアなどもしかりである。
高級そうなカバンや、スカーフなどは存在しない。
このテのニセモノには2種類あって、何かと問題に
なっているような精巧なニセモノと、笑ってしまう
ニセモノ。もちろんここでは100%後者なのだ。
日本ではお目にかからないこうした欧米ブランドも
さる事ながら、アジアでもあまり見かけない日本の
工業製品の紛い物が、この国では大手を振って
流通している。例えば「YAMADA」のバイク。
そんなのあり? そしてもうひとつ驚いたのが、
「HUNDA」の発動機。堂々とJAPANESEと
書いてあるが、ググっても、もしかしてHONDA
としか出ない。粗悪なニセモノで日本の工業製品の
信頼を損ねることを憂慮する以前に、「偽装国家」が
途上国から小金を巻き上げ、粗悪な援助で蝕んで、
先進国の仲間入りをしたと喧伝している現実を
垣間見た気がした。

P1000333
下にあるのが問題のHUNDA製品。

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マダガスカル日記5

ヌシベの最終日で自然保護区へのエクスカージョン。
島でいちばん大きな港町、エルヴィルのマルシェで
ドライバーが昼食の飲み物を買うというので、一緒に
お土産用にバニラの束を買う。ぎっしりと重い束で
15000アリアリ(1000円程度)。日本の10分の
1以下の値段である。そして別の港から木製の小舟で
ルクベの自然保護区へと向かう。もちろんガイド2人
そして客の我々2人の4人でせっせと漕ぐのである。
1時間ほど漕いだだろうか、クンバ島と同じような
森に分け入っていき道なき道をガイドとともに進む。
大蛇、キツネザル、カメレオンなどなど、気をつけて
見てもなかなかわからない動物達を、次々とガイドは
発見していく。恐るべきはアフリカ人の目のよさだ。
イランイラン、バニラ、旅人の木などという植物も
いろいろと解説をしてくれる。いろいろな種類の蝶が
飛んでいるが、こちらはガイドもよく知らないらしい。
ボクも詳しくないが、昔図鑑で見た珍しい種類が、
いっぱいいるはずである。ヌシクンバとの違いは
飼育されていない、自然の中にいるというところ。
まさに人力で秘境にたどり着いた感はあるのだが、
最初に手軽に見たせいか、その手間ひまをエンジョイ
して感動できなかったのがちょっと残念だ。香料の
イランイランは世界の殆どがこの周辺でとれるので
製油工場があったりするのだが、こちらもバニラ同様
安い値段で買う事が出来る。大幅に遅れた飛行機で、
夜になって首都にもどる。


P1000174

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マダガスカル日記4

前日と同じくヌシベのホテル前海岸で待ち合わせ、
スピードボートに乗るが今度は約1時間30分。
クジラと追い駆けっこをしたりしているうちに、
海の中に突如として2つの島と、それを結ぶ白い
砂浜が現われる。これがヌシイランジャだ。
一つはリゾートホテルがあるプライベートビーチ。
そしてもう一つは漁村の島でその距離は1マイル。
海のど真ん中に砂浜が出没するというのは異様だ。
船は砂浜に座礁する形で止まって上陸。2つの島が
完全に繋がってはいないと思っていたのも束の間。
あっと言う間に汐が引いていくのだ。歩いてみると
特に北側は恐ろしいくらいの「遠浅」で、100m
以上歩いても、まだまだひざくらいの深さである。
昨日のツアー同じく炭火を起こして白身魚と伊勢
エビ、そしてゼブ牛というこぶ牛の串焼きを
バーベキュー。カニのトマトソース煮込みと、
サフランとココナツで炊いたご飯とサラダという
典型的な豪華マダガスカル料理の昼食がスタート。
フランス人、イタリア人とよもやま話をするうち
ある人は伊勢エビがついていないとか、ある人は
飲み物が別料金とか待遇が微妙に違うことがわかり
なんだかなぁというところで、再びビーチに戻り
三々五々泳いだり、岩場の生き物を観察したり。
恐らく世界でこんな場所もないだろうという、
海上の砂浜がまた狭くなりはじめたところで
帰路につくのだ。あまり遅くなると波風が高くなり
スピードボートが転覆する可能性もあるからだ。
宮古島近くの八重干瀬(やえびし)という大潮の
干潮時だけ海面に現われるサンゴ礁も面白かったが
今度はこの島のホテルに泊まってみたいものだ。

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写真で見ると普通のビーチなのだが…

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マダガスカル日記3

ヌシベのホテル前海岸から、スピードボートに乗り
約30分。ヌシクンバに到着。子供たちが集まって
歌を唄って出迎える。どうやら飴が欲しいらしい。
島の人たちが飼っているチャイロキツネザルの
公園に行くと、何と木々から降りて寄って来るのだ。
さすがにお猿さんだけあって、目当てはガイドが
持っているバナナ。それをみんなで分けて猿に
かざすと、自分の肩に飛び乗ってくる。体長が
40cmくらいで、子猫くらいの軽さ。おまけに
手足は5本指だけれど、爪を立てる訳ではないので
違和感は全くない。猫と同じく首筋などを撫でると
気持ち良さそうにしているけれど、油断していると
バナナを奪って木の上に飛び乗ってしまうのだ。
大蛇を首に巻き、星亀を持ち、カメレオンを見た後
この島を後にして、ヌシタニケリーに向かう。
ここは海の透明度が高いサンゴ礁の小さな無人島。
スノーケリングで色とりどりの熱帯魚を見るが、
ダイビングをすればウミガメも見られそうだ。
昼食のあいだにまたしてもキツネザルがやってきた。
沖縄の小浜島あたりのサンゴ礁ほどではないが、
フランスやイタリアからわざわざ来る人々が多い
というのも頷ける。マダガスカルの動物と海の
両方が堪能できるエクスカージョンである。

P1000205

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マダガスカル日記2

早朝に家を出て、空港へと来た道を引き返す。
ヌシベ(ベは大、ヌシは島つまり大島か)行きの
北に行く飛行機に搭乗、約1時間あまりで到着。
そのへんにあるバナナを食べ、魚を捕れば生きて
いけるのだろうか。都会と違い、ストリートに
暮らす人がいないのでのんびりした空気が流れる。
最初は緊張していたが、そのうち現地の人々の
生活圏に入っていく。みんなそれほど警戒せず、
かといって旅行者から金を巻き上げようという
ぼったくり精神もあまりなく、リラックスする。
宿泊したのは星も付かない安宿だが、ちゃんと
蛇口をひねればお湯も出るし、クーラーもある。
さまざまなエクスカージョンを検討して、
4日間でヌシクンバの動物公園とヌシタニケリー
でのスノーケリング、ヌシイランジャ、そして
自然保護区へのカヌーを漕いでいくツアーの
3つに参加することにした。

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宿泊したバンガロー

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マダガスカル日記1

2日続きの徹夜から早朝の生放送を終えて会議。
そこから成田へ直行。大幅に早くチェック・イン
しようとしたら、さすがに3時間30分前までは
カウンターが開いていなかった。シンガポール航空
が日本就航40年当日ということらしく、紅白饅頭
をもらう。思えば最初の海外旅行は28年前に、
ジャカルタに行く時のシンガポール経由だった。
ラウンジでシャワーを浴びて原稿を送ってから、
毎度の京辰で寿司をつまむ。酩酊状態で食事もせず
いつも通り爆睡の予定が中途半端な時間に起きる。
シンガポールは1時間の乗り継ぎで何もせずに、
ヨハネスブルグ行きに乗り込むと、今度は爆睡。
早朝に着いて一旦荷物を取りに入国する。実は、
マダガスカルへの乗り継ぎでロスバゲの危険性が
高いというので、ヒースロー方式を採用したのだ。
6時間の乗り継ぎで空港の外に出たりしながら、
初めて踏むアフリカの大地。空港の名前がタンボ
というのもちょっと笑えた。1ランドが何円なのか
把握しないまま買い物をしてエアマダガスカルに
乗り込み、アンタナナリヴォに着くともう夕方だ。
ボクはビザを東京で取得したが、空港でビザを
取った方が早く入国できるというのはなんだか…。
石垣島空港くらいの大きさで迎えに来た妻と合流し
街頭も信号もない道を行く。掘っ立て小屋の萬屋、
大八車、物乞い、エンコした車を押す人々…。
アジアの活気のような、カリブの島の陽気のような
アフリカのしたたかさのような、そのすべてで
どれでもない雰囲気を感じつつ、家に向かった。

【肝硬変への道】

銀盤 純米大吟醸(富山)
Guardian Peak Merlot‘06(南アフリカ)

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