恩師の訃報
高校の古文の先生で、大宅壮一ノンフィクション賞の
初回受賞者でもある、尾川正二先生が亡くなられた。
ニューギニアで九死に一生を得るという体験をされ、
不真面目でやんちゃな高校生相手にしても、超然たる
態度で淡々と授業を進めていたことが思い出される。
「中国には見るという漢字が何百もある。例えば目の上に
手を乗せて遠くを見るというから看板の看という」
「私はニューギニアの戦争体験で、見るべきものは見つ
という風に思っている」「生還の還という字はぐるりと
まわって帰ってくるという意味なんだ」などなど。
「試験の答案で手も足も出ないという意味で最初に
達磨を書いた奴は100点だ。真似した奴は0点だ」
言葉を一つ知る事は世界が一つ拡がる事だと言い続け
個人的にもドナルド・キーンをはじめ、いろいろな
本を勧めてくれたのも、尾川先生。そういえばバスに
乗って読んでいて、乗り過ごしてしまう程面白かった
といわれていた「梁塵秘抄」は未読のままである。
恐らく尾川先生に会わなければ、モノを書くことを
生業にできなかったのでは、とも思う。
「原稿の書き方」という30年前の新書をもう一度
読み直してみようと思う。
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