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June 2009

He's out of my Life

こんなにマイケルの事が好きだったとは思わなかった。
今の偽らざる心境である。自分が一人暮らしを始める
そんな時期に彼もファミリーから独立。とはいえ
ここのところは醜聞の方が多く、すっかりご無沙汰だ。
ニューヨークの空港で、兄ジャーメイン・ジャクソン
の消息を見たのが今週のアタマで、その事実を番組前
スタッフに見せていた。ところが午前6時30分すぎ、
マイケルが心停止状態で、病院に搬送されたという、
第一報が入ってきた。ニュース・ソースがゴシップの
サイトなので慎重に対応しようとすると、全米で、
つぎつぎに死亡の記事が配信され始める。未確認でも
信頼できる情報と判断して、6時40分に第一報。
そして50分過ぎにソースを明らかにして死亡情報を
番組で入れる。テレビはNHKの7時のニュースで
解禁されて、そこからは事実確認と裏付け調査に奔走。
同時にLAの番組特派員をはじめ、現地メディアなど
とにかく取材と電話をかけまくる。民放テレビや、
ネットサイトでも取り上げられるようになった時間で
現実を受け止めるが、本人に会った人が少ないため
ブッキングに難航する。番組終了直前で「BAD」
当時のEPICレコードのディレクターのS氏に電話が
繋がって、最終的に巨星の人となりが明らかに…。
きっと凡人にはお友達にはなれなかった。それでも
発信し、消耗し続けた人生。しかも若い晩節は試練の
数々で、さらにその心を閉ざすには十分である。
沢山の電話をつないだ皆さん、それでも番組に参加
していただけなかった皆さん。本当にありがとう。
あらゆる呪縛から解き放たれたマイケル。
どうか安らかに。

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シーズニングで焼いたT-bone

【ステーキは素敵だ】
アメリカでのステーキハウスのランキングでは常に
上位に入っている「III Forks」。活字だとわからない
けれども、読み方は「スリーフォークス」である。
テキサスが本店で、10年以上前に初めて訪れて以来
というかテキサス自体にあまり行かなくなったので、
すっかりご無沙汰、のフロリダ支店である。
父の日という事もあって、ご同輩が家族で訪れる。
そんな光景を横目で見つつ、バーカウンターに陣取り
24ozで$58というポーターハウスを注文する。
ここのステーキは大きなパンとつけあわせの野菜が
たっぷりついてくるので、注文はこれだけで十分。
いかにもオヤジころがしが上手そうな、女性の
バーテンダーとよもやま話をしつつ、待つ事20分。
いわゆるT-boneの登場である。ここの肉はドライ
ではなくウェットエイジド。つまり真空パックで
冷蔵庫に入れて熟成させるタイプである。28日間
というから4週間置いたものを、高温のオープンで
上火で焼くのだが、この場合アメリカでは一般的に
グリルではなくbroilと言うようだ。T-boneは
2種類のパーツを1度に食べられる。フィレ側は
塩胡椒もしていないが、サーロイン側にはなんと、
シーズニングが施されていて、味が付いている。
店によってレシピが違うと意識しはじめたからこそ
こうした違いにもいちいち反応するが、以前の来訪は
ただおいしいとしか思わなかったのだろうか。
塩胡椒だけで味わいたい、とかこっそり醤油をつけて
食すなどという向きには、このシーズニングは邪魔
なのかもしれないが、A1ステーキソースが進化した
ピータールーガーの甘いステーキソースよりは、
ポピュラリティがあることだけは確かだ。


【肝硬変への道】
Kenwood Pinot Noir’07(ナパ)ハウスワイン
Artese Cabernet Souvignion’07(ソノマ)
P1000909

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通し営業で深夜までの駆け込み寺

マンハッタンの「Smith&Wollensky」。
シーフードも充実しているので、実はステーキ・
ハウスというのにはちょっと抵抗があるけれど、
NYCをベースにした店である。その昔Z100の
スタッフに連れられて来たのが最初で、大人数で
食べるレストランと少人数で予約がなくてもOK
というグリルの二つの営業形態があって、後者は
深夜2時までやっているので、どうしてもという
時の駆け込み寺ともいえる。グリルのメニューは
レストランよりも簡略で、ドライエイジされた
ステーキは、いわゆるTボーンではないけれども
骨付きのサーロイン。高温のオーブンで一度に
上下からグリルして旨みを閉じこめるのだそうだ。
脂が焦げ落ちていてヘルシーなイメージがある
せいかこの種の「Men’s Restaurant」にしては
女性客の比率が高い気がする。

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名前のまだない馬

【零細馬主で馬券下手】
いよいよアメリカの2歳牝馬がデビューに向けて、
本格的に始動しはじめる。ということでモンマス
パーク競馬場のJamie Woodington調教師を訪ねる。
何度も通った競馬場だが、彼女の母、祖母を育てた
Keith Sirota調教師ではなく新しい調教師という事で
期待と不安が交じった対面である。馬自体は牧場で
見た印象と、うってかわって立派になっているので
驚くばかり。今度管理してくれる調教師は、ここに
ベースを置いて16年というベテランで、ちゃんと
祖母も母も知っているという事で、まずは一安心。
2歳からあまりガンガン使わないということで、
どうやら9月以降のデビューになりそうだとの事。
20頭いる管理馬にはステークス・ウィナーもいる
という事ので、いろんな意味で信頼できそうだ。
全くアテがなかった今回のアメリカでの預託先探し
だったけれど、海外で活躍する日本の競馬関係者に
かなりお世話になって、ここまでこぎつけたのだ。
P1000895

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ピーター・ルーガーの屈辱第2章

もともと成田の出発の時点で1時間20分遅れた
シカゴ行きのUA便。現地に到着する前の機長の
アナウンスでイリノイ周辺が雷雨の悪天候のため
オヘア空港が大変な混雑になっているとの事。
着陸してもターミナルが空かずに機内で待機。
そして入国審査はかつて見た事がない長蛇の列だ。
恐らく大阪万博のアメリカ館に並んで以来の
待ち時間。しかし覚悟を決めたのでそれはそれで
ちょっとハイな気分になって、最善の行動を取る
べくいろいろと考える。入国後にもカスタマー・
サービスはむちゃくちゃになっているため、まずは
上級会員の特典があるはずの、出発カウンターに、
行ってみる。うまくしたもので、接続便も4時間
遅れてそのままチェックイン。ラウンジで時間を
潰しているうちにその飛行機がキャンセルになり、
ラウンジ内のカウンターに並んで次の飛行機に
振替えられた事を知る。結局ラガーディアに
着いたのは深夜1時すぎだった。本来ならば、
7時くらいについて、直接ピーター・ルーガーに
なだれこんでいるはずが、悲しいかなシカゴの
マックのハンバーガーが晩餐となってしまった。

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北海道の食材に集中したフレンチ

ご近所のフレンチ「ル・ゴロワ」(3404-0820)。
ランチでは、時々空いているのを見計らって予約も
なく入っていたので、久々にディナーを予約する際、
「場所はご存知ですか」と聞かれてびっくり。
ここに引っ越してきてからずいぶんたつというのに、
電話番号が同じなので、未だに前の表参道近くの
店に行く人がいるそうだ。古いガイドなどを見て、
電話が繋がれば、そう思うのも無理はない。だから
マダムは予約を受ける際に必ず移転した事を伝える
ということになるらしい。庭ともいうべき店なのに
覚えてもらっていない、というのも何だが、まあ
そんなものだろう。北海道に食べに行くツアーを
やったりしているようで、コミュニティがしっかり
あるようだ。以前にも触れたが、北海道の食材を
中心にしているだけに、さもありなんという感じ。
最近少しだけ値段が下がったランチに来るばかり。
大きなカウンターもあって、一人で食べるのも
問題ないし、北海道の野菜をしっかりと食べたいと
思う時にはまっさきに浮かぶのだけれど、以前の
狭いカウンター中心の店ではなく、広くなった事で、
夜に一人で尋ねるのには落ち着かない気がする。
鍛高譚の赤紫蘇と青紫蘇のサイダーなどもあるし、
北海道に行ってもそうは簡単に食べられない料理。
日本が南北に長い国でよかったと思う。

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第59回安田記念

【零細馬主で馬券下手】

またまた週末は雨。といっても日曜日は馬場が回復しそう。
ウオッカの強さは百も承知だが、結論から言うと今回が
蹴飛ばし頃ではないかと考える。この馬は古馬になって
からというもの連勝がない。あれだけのパフォーマンスを
見せた後にコロリと負ける、というシーンがなくはない。
それよりも面白い馬が満載。同じタニノギムレット産駒で
父親よりも能力が上ということを見越してつけられた、
アブソリュート。究極のウオッカということであれば、
マイルは5戦4勝。こちらの方がという推理も成り立つ。
相手には香港のチャンピオンズマイルを勝ってここに臨む
サイトウィナー。あとにはスズカコーズウェイ、スマイル
ジャック、馬場良化を見越しディープスカイを買うなら、
同厩舎のローレルゲレイロの逃げ残りまで…。

ファーストメジャーはついていけなかった感じ。
ディスパーロはこういう馬場なら思い切って行った方が
いいのだろうか。明日はティーガーが穴をあけるのか。

【肝硬変への道】
姿 無濾過生純吟 山田麹 五百万石掛 +9(栃木)

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日本のドライエイジング、その2

肉を焼くのは難しい。やはり素人が一番失敗しない
方法は炭火焼きであろう。押さえておくべき基本は
冷蔵庫から取り出して常温に戻す作業。熟成されて
いない肉なら、そこで水分が出てくるのでこれを、
キッチンペーパーで取り除くと、強火で表面を焼き
肉汁を内側に閉じこめる事が容易になるのである。
「餅は貧乏人に焼かせろ。肉は金持ちに焼かせろ」
というが、何度もひっくり返すのは厳禁。じっくり
構えなければならない。その2つがポイントだ。
今回の分厚い熟成赤身肉の場合は、その焼け具合が
非常に気になるが、じっと我慢する。表面は塩胡椒
がいい感じで焦げてくるが、横から見たところ、
まだまだ芯には火が届いていないのが見てとれる。
焼け具合が3分の1を過ぎたところにひっくり返す。
それでも肉汁が出ないところはさすが水分が本当に
飛んでいる証拠。電子レンジで80度に暖めた皿を
用意して、焼き上がり。肉を休ませてから食す。
ナイフを入れると、中から肉汁がじわりと湧き出す。
果たして初めて食べる味わいである。やはり飼料が
違うのだろうか。アメリカのUSプライムビーフは
コーン・ベルトといわれるトウモロコシ産地である
南部が大産地だけに、もう少し甘めという感じ。
オージー・ビーフは牧草だけに、若干深みに欠ける。
えん麦やフスマを主食にしている但馬牛だからか、
えも言えぬ獣臭が伴うし、焦げた部分と、レアな
中心部ではまた違った味わい。面白かった。(つづく)

P1000882

七輪で焼いた焼き上がり。

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TVCMの新しい試みに拍手

【ラジオデイズ】
第46回ギャラクシー賞の贈賞式。去年からの期は
CM選考委員としてここ1年のTVCMを見た。
「白戸家のカイくん」の猛旋風が吹き荒れる中、
ソフトバンクではなく、読売新聞の企業CMで
箱根駅伝を題材にした・お正月家族「予告篇」
「海外旅行篇」「セキュリティー篇」「映画篇」
「ガム篇」「あたたかい家篇」「お弁当篇」の
シリーズが大賞を受賞した。このコラボCMは、
箱根駅伝が中継された1月2日と3日の2日間。
日本テレビ関東ローカル枠でのみ放送された。
高視聴率とはいえ見のがした人も多いだろうし、
アーカイブが残っているわけでもないし、
繰り返し放送されるCMでもない作品が大賞。
NFLのスーパーボウルに、それ専用のCMがあり
大きな話題を呼んでいるものにならったワケでは
ないだろが、新聞広告のCMで、ホワイト家族が
出演しているというインパクト。そのコラボで
効果を狙った意欲的な取り組みが評価された。
とはいえこれだけの尖った作品を作り、流すのに
かなりの軋轢があったことは想像に難くない。
受賞者のコメントも、各方面の協力のたまもので、
クリエイティブ主体の単体王道作品でない、という
謙遜からか、戸惑い気味ではあった。
しかし純粋に一番印象に残ったことは事実だし、
やられたと思った人も多いはず。何よりTVCMから
生まれたキャラクターが独り歩きして、別のCMに
出演するというのは快挙。電車の社内吊り広告で
商品と雑誌が一緒に出るというよりハードルは
高いのではないだろうか。
(読売新聞/シンガタ/電通/ギークピクチュアズ)

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コラーゲン補充作戦

「喰切り 江ぐち」(03-5537-5141)。
その昔事務所の近くで、そこから銀座に移転する
はずが、西麻布に移転して「会員制」となった、
すっぽんの「喰切り 江ぐち」が、心機一転銀座に
店を構えて半年が過ぎた。場所は「失楽園」で
おなじみミシュランの星付きの「三亀」の向かい。
小体な寿司屋を居抜きで殆ど改装はせずだとか。
しかしもともとが高級感のある「銀座のお店」。
白木のカウンターのみの9席で切り盛りする
ご夫婦との会話が弾む。元々の神宮前の常連も
気軽に来れる、という事を意識してのリスタートだ。
「すっぽんの丸鍋」は、この店のスペシャリテだが
そこに至るまでの、すっぽんの唐揚げや肝などと、
鱧料理などの旬の小鉢などが、季節を感じさせる。
関西人にとって、このあたりの序曲が特に嬉しい。
店名の「喰切り」の意味をご主人に尋ねたところ、
広く関西の料理を指す言葉だとかで、江戸の
料理が大皿で、持ち帰りを前提に保存の意味も
あって味が濃いのに対して、その場で酒と共に
食べきってしまう、というのがその由来だとか。
関西では「喰切り」という言葉は使わないので、
道理で聞きなれない言葉だったワケだ。和食は
コースと同じ値段のワインを頼むなどという事が
ないぶんコースはそれなりに高いけれど、さらに
お酒の値段が高いと酒飲みには厳しいものだ。
だがここはとてもリーズナブルで持ち込みもOK。
コース以外にアラカルトもあるし、築地直送の
刺し身など鮮度勝負のメニューでなく、じっくり
料理の技を堪能する構成。普通は休みの日曜や
お昼にでも、事前の予約でお店を開けてくれる
という柔軟な対応も可能とか。以前日曜日の
昼にちゃんとした和食を食べたいと相談された
時に、ほとほとお店がないことに絶望した。
また日曜日のゴルフ帰りに19番ホールとして、
銀座の馴染みの店を特別に開けてもらう、
なんていうのも何にも変え難い贅沢な事だ。
そんな事も含めて「ご近所さん」が、そのまま
銀座でグレードアップしたのは、嬉しい限り。
高級クラブに縁があるより百倍いいものだ。

【肝硬変への道】
八海山 本醸造 +5.0(新潟)
酒は一種類。常温でやるのがいい気候だった。


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