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July 2009

夏の甲子園で「空の翼」を唄えるのか

【ラジオデイズ】
長生きはするものである。
自分が生きている間には、絶対に起こりえない、
と考えていた関西学院高等部の夏の甲子園出場。
選抜(春の大会)では98年に一度だけ出場したが、
それが63年ぶりだった。選手権(夏の大会)に
至ってはノモンハン事件のあった1939年だから、
実に70年ぶりの兵庫県代表ということになる。
今年の県大会5回戦は、強豪報徳学園が相手。
甲子園に出たいというので、関学中学部から
宿敵報徳学園に進学した宮本投手。彼の追撃の
ホームランを振り切って、1点差の勝利から俄然
波に乗ってきたわけである。現関学高等部野球部の
広岡監督はもともと関学出身だが、以前報徳学園の
監督をやっていたことがあり、甲子園に出場の
実績もある名指導者。野球部長の芝川又美先生は、
礼拝の時間にギターを弾いてコールアンド
レスポンスをしたという、ユニークな先生だ。
桂三枝と唄った毎日放送のラジオヒットである
「夕陽のアンジェロ」というシングルもあるくらい。
だから調子に乗ると手が付けられないのだろう。
今日の決勝は9年前に県予選で11対0で大敗した、
育英が相手。勝負を決める2点適時打を打った
鳥内くんは、同世代で現関西学院大学アメリカン
フットボール部監督の鳥内秀晃氏の息子らしい。
4対1で優勝をきめ。すっかり目を細めてしまう
ということにあいなったが、馬が勝つのとはまた
ちがった感慨があるものだ。

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一人が厨房を仕切る小体な店のマナー

板橋の四川料理「蜃気楼」(3964-6657)
先週末に初めて行って、間をおかずに再訪。
その味の奥深さにノックアウトされたからだ。
前菜の盛り合わせはクラゲ、チャーシュー、豚耳。
いわゆるミミガーは、煮こごりである。そして
炸茄子というパリッと揚げた茄子とともにビール。
水口鶏、手羽の唐揚げ、羊肉の水餃子、焼肉餅、
涼粉皮(板春雨の冷菜)など2日間でいろいろな
ものを食べ、シメは麻婆豆腐を麺で絡めたり、
酸辣湯麺をすすったり。辣油、醤油、山椒、唐辛子
それらが、今まで食べたものとは明らかに違う。
思い起こせば上海の四川料理に連れて行かれた時と
似て非なる感覚なのである。店主は食べ物に対する
探究心旺盛な方で、カウンター越しの会話も楽しく
本場の紹興酒がくいくいと進んでしまう。それでも
居合わせたお客さんとの、呼吸を見ながら注文する
というのは寿司屋のカウンターと同じだ。
店の入り口には「担々麺だけの方はお断り」という
紙が出ている。こうしたネットの書き込みや、
口コミサイトなどで、看板メニューと書かれるので
それだけを食べにくる人がいるという事だ。
阿佐ヶ谷の「バードランド」でその昔は「親子丼
のみの方はお断り」、とあったが、単品メニューの
店ではない事は一目瞭然でも、雰囲気を察する事が
できない輩というのはいるものだ。何本も当日の
空き状況を尋ねる電話で断っているのを見つつ、
2人で1品ずつとビールのみで長居する客と同席。
金を払えば客だ、といわれればその通りだが、
カウンター6席と小上がりがある小さな店である。
最初に訪問した時の隣のカップルは、一口だけ
シェアするという、ナイスな食い道楽で、こうした
店はこういうお客さんで支えられていると喜んだ
というのに、非常に残念だった。それでも怒らず
肩を落としつつも、話の続きをしながら一人で
調理する店主。ボクはこういう店が好きだ。

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