首相辞任に思う
【ラジオデイズ】
政治を語る柄ではないが、政治を語るメディアには
注視していたい。おそらく鳩山首相と小沢幹事長の
「政治とカネ」問題が出てからというもの、政権を
擁護し続けたメディアは「日刊ゲンダイ」のみだろう。
巨悪を暴き、政権の暴走を監視するのがメディアの
使命である、というのは原理原則なのは百も承知。
長年続く自民党政権の時にはその理屈でよかった。
それを追い落とす前に「シャドウキャビネット」を
建てていても、やはり野党と与党では立場が違う。
そこを従来通りの正義感で引きずり下ろすならば、
どうして小泉内閣の大きな矛盾に目をつぶったのか。
また石原都政のレイムダックに苦言を呈さないのか。
基地の是非を根本的に問う事も、対案を出す事もない
ままに、普天間基地移設問題を「首相の言葉が軽い」
ですませてしまい、八ッ場ダム問題を長引かせて
きたのは、全てのメディアが同じ論調だったから
ではないだろうか。この国の不幸は首相が替わる
という事ではない。テレビの立ち位置が宙に浮き、
多様な議論を経た上での世論を醸成できない事だ。
「メディア批評」カテゴリの記事
- アメリカのニュース配信とAI化(2018.12.06)
- カリスマブロガーとレビュアー(2017.06.08)
- 「Fake News」と「Alternative Fact」(2017.02.25)
- 28年前の123便(2013.08.12)
- 31年前の自分に再会する(2013.08.08)
Comments