災い転じて福となす
野球の試合で完全試合がかかった9回2アウト。
27人目のバッターをファーストゴロに討ち取り
クロスプレーでそれを内野安打と塁審が判断。
結果はただの1安打完封勝利となったものの、
ビデオを見た塁審が、それを誤審と認めて後で
ピッチャーに謝罪したとする。
日本ならばテレビニュースで各局がその模様を
流して審判の責任を問い、コメンテーターが
ジャッジの技術云々をメジャーと比較したりし
抗議する監督や選手の声を擁護して、何だか
後味が悪い決着になるだろうと推測する。
実際にこの事件はおととい起こったのである
米大リーグのタイガースとインディアンスの試合。
タイガースのアルマンド・ガララーガ投手が
その「被害者」だったのだ。しかしメディアは
冷静にこれを報じ「ジャッジを尊重する」原則を
崩さず、ガララーガ投手も「誰も完璧じゃない」
と事実を受け入れたのである。驚くべき事に
このフェアプレー精神を称えてゼネラル・
モータースが彼にコルベットをプレゼントした。
よく考えて見よう。正しいか間違いかではない。
記録は覆らないが、審判は過ちを認めて、選手が
これを受け入れ、見事なプロモーションとして、
結果は誰も傷つく事なく、記憶に残る。テレビが
大人の対応をとることで、みんなが得をする。
そんなマーケティングがあるアメリカという国は、
やはり奥が深いと考えさせられた。
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