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wikipediaに載っていないラジオ聴取率の算出法

8月の首都圏におけるラジオ聴取率調査の結果が
発表され、ラジオ全体の聴取率を表すセットイン
ユースの減少に歯止めがかかり微増傾向だ。
しかしマス4媒体と呼ばれる中でも、広告収入は
依然として厳しさに変わりなく、若年層の接触率
と絶対数が低いというのは憂慮すべき問題だ。
そんな中このセットインユースにおける10代の
数字が0.8%なので、これを全国に読み替えて
その世代人口を計算すると東京ドームくらいの
聴取者しかいないという論旨の記事があった。
広告業界では、都合のいい数字を切り取って、
いかにも効果があるように説得する「マジック」
は常套手段ではあったが、ネット広告における
シビアな費用対効果の実数の前に、苦戦している
のが現状である。「マジック」の種明かすという
わけではないけれど、基本をよく理解せずに
聴取率を読んでいる関係者も多いので、ここで
もういちどおさらいしておかなければならないと
思った次第である。
「セットインユース」とは調査対象となった
7日間の全日(6時〜24時)での12歳〜69歳の
個人聴取のパーセンテージである。そしてその
パーセンテージは全調査対象の日記式のレポート
により、聴取人数と聴取時間の積で計算される。
例えば全部で100人に調査した100分の聴取率は、
もし100人が100分すべてを聞いたとすれば、
100%である。100×100=10000が100%なのだ。
だから1人が100分聞いたならばその100分間の
聴取率は積が100だから1%で、10人が10分間
聞いたとしても積は同じ100で1%なのである。
もちろんくわしい調査結果を入手して、細かい
データ分析をすれば、正確な数字がわかるが
統計学による、危険度1桁%程度のサンプルで
2ヶ月に1回の調査ではブレもまた出てくる。
なので生活時間帯のうちラジオに接触できない
時間帯が学校などで必然的に多い10代の数字を
「セットインユース」で計算するというのは、
ちょっと大ざっぱである気がする。比較対象
としてネットにおける会員数があげられて
いるのだが、そうならばラジオの聴取率でも
「リーチ」と呼ばれる「延べ聴取人口」を
弾き出さないとモノサシがあわない。都市部と
地方では生活動態も大きく異なるし、とまれ
わかりやすく納得できて、信頼できる数字が
ラジオに少ない事だけはたしかだ。
「昔はよかった」ではないが、自分が深夜の
番組を担当していた時は、団塊ジュニアという
人口のボリュームゾーンが10代で、なおかつ
首都圏での調査ではその世代の10%〜20%が
聴いていて、それでようやく一人前と言われて
いた時代である。だから感覚的には、そこから
生まれるヒットのパワーなどはケタ違い。
今はひょっとしたら10分の1、それどころか
もっと下かも知れないという危機感はある。
いずれにせよ10代にとっては、いや40代以下
にとってもラジオはマスメディアではない
ということは変わらない。だからターゲット
メディアとしてのマーケティング、売り方、
聴いてもらう方法を考えなければならない。
聴取率についてwikiにはない説明が、RABJの
アーカイヴにあるので参考までに…。
http://www.rabj.org/rating/

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