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April 2013

21年分のありがとう(最終回)

【ラジオデイズ】

麻布十番祭りの事ばかり書いてきたが、先日とある
ラジオ制作者に、またAVANTIはどう作っていたか、
と質問された。まるで生放送でバーから中継している
スタイルなので、番組がはじまった当時は生放送では
と勘違いされた事もあったが、放送時間が場所により
微妙に異なるので、残念ながら録音番組と白状せねば
ならない。番組開始当初の「内輪話」が中心の時代は
毎週月曜日と火曜日の夜、AVANTIに沢山の人が来た。
「聞き役」と呼ばれる人間はおらず、友達を連れて
カウンターにやってくるので、自然と親密な会話が
収録できた。とはいえあまりに「内輪話」のために、
オンエアするのにはばかられるクオリティのものも
あったのは確か。番組のことだけ考えればずいぶん
「打率の低い」収録のスタイルだったといえる。
ある程度テーマを決めてそのテーマに沿った知識ある
「コニサー」を呼ぶようになってから、「打率」は
上がったものの、必ずしも友達と一緒にバーに来て
くれるわけではないし、スケジュールもバラバラに
なるために、制作のスタッフはAVANTIが空いている
状況と、ゲストと聞き役の調整をしなければならなく
なる。キャスティングをするため、テーマの決定は
必然的に前倒しになり、「コニサー」の会話をつなぐ
紳士とバーテンダーとのやりとり、そしてバーで
起きるコントの収録をパズルのように組み合わせる。
制作スタッフは違った意味で汗をかかねばならない。
おまけに話のクオリティと語り口は必ずしも一致せず
「聞き役との相性」などについては、全く別角度で
評価する、というスタッフの作業もあったのだ。
「トークの内容が芯を食っていない」という厳しい
評価はゲストだけでなく、「聞き役」のせいでもある。
オプラ・ウィンフリーのようなインタビューアーは
いないかわり、乗せて聞き出す、黙ってうなずく、
何も知らないふりをして質問を続ける、などなど
さまざまなテクニックに長けた「聞き役」が生まれた。
もちろんAVANTIで流れるジャズの選曲は、それ自体が
コンピレーションCDにもなったくらいのクオリティ。
当然ながら選曲を担当するスタッフもいたのである。
番組というのは、こうした水面下の努力が沢山あって
はじめて氷山の一角が、世の中に出るものである。
沢山のスタッフがいたから、いい番組ができるという
ワケではないけれど、おそらくこれからラジオでは、
こんなに手間をかけた番組は作られないかも知れない。
番組が終了して1カ月。そろそろ後ろを振り返るのは
おしまいにしよう。

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第147回天皇賞大予想

【零細馬主で馬券下手】

春の天皇賞は特別なレースである。京都競馬場
芝3200mで行われるこのレースは近代競馬では
珍しい長距離戦。豪州のメルボルンカップと
並んで最長の国際G1なのだ。世界的に競馬は
スピード主体のレースがメインになって、
その国から種牡馬を輸入してきたので、自然と
日本も短距離化。秋の天皇賞ももともと3200m
だったのが、およそ30年前から2000mに。
日本国内でも、レースが減ると長距離適性馬が
勝ちあがれない、長距離種牡馬が減る、長距離
血統馬の生産が減る、そしてレースが減る、
という循環がずっと続いてきた。
しかし本当に強い馬こそここを勝つ。と古くから
天皇賞にこだわりを持っていたのがメジロ牧場。
特にメジロアサマ、メジロティターン、メジロ
マックイーンと祖父、父、息子の三代で春の
天皇賞を制した目本の名門牧場だったが、早熟の
傾向があるスピード血統が、一気にメイン
ストリームとなったため、2年前の4月26日に
牧場は解散を決定した。
ところがメジロマックイーンの血統が違った形で
開花したのだ。種馬として、天皇賞馬こそ輩出
できなかったが、生んだ牝馬の子供にその類い
稀な能力を伝え、ドリームジャーニー、一昨年は
その弟のオルフェーヴルが三冠馬となり、去年は
ゴールドシップが皐月賞と菊花賞、有馬記念を
制した。そしてメジロアサマ、メジロティターン、
メジロマックイーンと同じ芦毛。夢の続きがある。
大井競馬から中央競馬に移籍した内田ジョッキーが
そのゴールドシップに騎乗するが、戸崎圭太騎手が
先月からこれを追うような形で移籍してきた。
今33勝。しかし勢いはナンバーワン級で今回は
9歳のジャガーメイルに騎乗する。ここまで調子も
良く10年には勝っているくらいで、条件はいい。
どんな騎乗をするかが見もの。もちろん父親が
ゴールドシップと同じステイゴールドという
フェノーメノなども注目したいがオッズからだと
ゴールドシップからジャガーメイルの1点勝負か。

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21年分のありがとう(続き5)

【ラジオデイズ】

麻布十番祭りでのAVANTI出店が恒例行事として
定着するようになったのは、ペンネアラビアータ
という定番商品ができたこともあるが、出店場所
の確保という点も大きい。当初「桂亭」の軒先を
借りていたものの、厨房の問題があって場所を
「登龍」隣りの空地(現オークウッドレジデンス)
に3年めから移した。ここではリスナーのみなさん
が交流するスペースもあって、購入や記帳のため
行列ができても問題がなかった。そして「景福苑」
に場所を移した2000年、その翌年地下鉄の駅が
麻布十番にできた頃から、祭り自体のの来客数が
飛躍的に伸びた気がする。メニューに関しては
かなり試行錯誤が繰り返され、ソーセージをパン
にはさんだ「サルシッチャ」や、バジルペースト
を使った「ジェノベーゼ」と「ゴルゴンゾーラ」
のソースで3種盛り、そして冷製の「フレッド」。
サイドメニューの「ソットーリオ」「アスコラーナ」
そして「オリジナル缶詰め」などいろいろあった。
それでも「ペンネアラビアータ」をしのぐものは
ないと断言してもいいだろう。厨房の問題は、
保健所の許可を受ける上でも、出店の近くにある
というのは非常に重要で「景福苑」が閉店してから
再び「桂亭」の向かいに移転した時には、なんと
お向かいの十番会館の上階にスタッフが引っ越し。
祭り期間はソース作りをする臨時厨房施設として
使い、トマトソース臭い部屋に残りの360日を
住まう、というような非常手段もとられたぐらい。
東日本大震災の余波で、祭り自体が中止になった
2011年以外計18回の出店。初回の大赤字に反省
し大盛況の連続でさぞかし儲かったのかと思いきや
食材の運搬や、紙皿などの食器、何よりも大勢の
スタッフのユニフォームや毎年の出店の資材など
なんだかんだで終ってみると収支はほぼトントン。
リスナーと触れ合える唯一の場所という第一目的を
達成した以外、事業的にはあまり褒められたもの
ではないイベント。大人がみんなで真剣に遊んだ
という事で、まあいいじゃないですか。

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タルゴラグーナ蒲郡訪問記

【エセアスリートの日課】

盛りあがる日本選手権水泳競技大会の真っ最中、
負けじと蒲郡の「タルゴラグーナ」を訪れる。
男性にとってはいわゆるスパのようでいて、どうも
なじみが薄いようだ。ここは海水を33度と36度に
暖めた大きなプールがあり、あちこちでジェットが
出ていて、いろいろな効能があるというところ。
リラックスやエステとは違う、「タラソテラピー」
の施設である。フランスが発祥で「海洋性気候」の
場所に大きな施設があり、パリにあるホテルなどの
限定されたスパで、施術だけを受けることもできる。
日本にも「タルゴ」のブランドを展開するサロンが
全国にもあるけれど、やはり海を望んだこの施設で、
じっくりと目的に合った滞在をするのが一番だ。
イタリアのテルメなどはかなり「湯治場」な印象だが、
全国でも最大級のこの施設は、とにかくプールが広い。
スーパー銭湯と勘違いする施設も、国内にはあるけど
15のゾーンを順番に指示通りめぐるだけでも結構時間
がかかり、ふにゃふにゃと骨抜きになるのがわかる。
代謝をよくして、筋肉をほぐしたところで、別の
プールでエクササイズ。それからトリートメント。
施設の中にあるホテルに宿泊して、翌朝はちょっと
冷たい海風に吹かれながら1時間のウォーキング。
水中も、陸上も身体の動かし方のポイントを教えて
もらえるので、かなり身体意識が向上することになる。
仕上げは海藻ペーストを全身に塗ってトルコ風の
スチームサウナに入る「ハマム」で24時間を過ごした。
湯あたりしない水温の海水で、長時間入っていられ、
リラックスするだけでなく、トレーニングも出来る
プールの使い方は発想しだい。ビューティや痩身、
体質改善などをサポートするプログラムもある。
例えばランニングや自転車の大会後のケア、なんて
いうのには、うってつけではないだろうか。
またカフェのメニューは地元形原漁港の地魚とか、
三河産の地鶏やウズラ、そして旬の大アサリなどと
地元の野菜がたっぷりで、地産地消を徹底していて
カロリーも考えられたメニューがなかなかいい。
ディナーは繁忙期のみという事だが、ラグーナ蒲郡
というテーマパークやアウトレットなどが揃った
施設の一部だけにレストランのチョイスもある。
最低2〜3泊してトレーニングの合宿で使いこなす。
そんな妄想を抱かせるエセアスリートの一日だった。

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プール内は写真撮影禁止なので朝食写真のみ

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第73回皐月賞大予想

【零細馬主で馬券下手】

とにかく関西馬がやたらと強いこのレースだが
今年は関東馬に気になる馬が多くて悩ましい。
今の中山はいいところを選んで走らねばならず、
極端な追い込みは届かない可能性が大である。
とはいえ逃げ先行の馬が多く展開からも、軸に
ふさわしい馬が見当たらない混戦模様である。
終ってみればミルコのロゴタイプだったという
事がないように押さえたい。2歳チャンピオン
エピファネイアと外枠に入ったのがよかった
フェイムゲームの巻き返しは当然ありそうだ。
穴は大逃げしかないコパノリチャード。展開の
利を得てうまく立ち回ればチャンスがあるかも。
あとは中山でレコード勝ちを決めているミヤジ
タイガか堅実なタマモベストプレイのどちらか。

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第73回桜花賞大予想

【零細馬主で馬券下手】

結論から言うと、本命はメイショウマンボ。
明日がどれくらいの馬場になるかは天のみぞ知るが
雨も上がれば極端な不良馬場にはならないだろう。
とはいえパンパンの良馬場でないことは確かである。
ならば大外からパワー型の切れ味が活きる展開が
この馬に最も味方することになるだろう。
相手にクロフネサプライズは外せないが、怖いのは
二走ボケ。そこにくると地味な血統のクラウンロゼ
は三連勝の勢いがある、マイルでしか走ったことが
ないのは減点材料といえなくもないが…。
意外と人気のないローブティサージュの巻き返し、
そしてアユサンの大駆けには注意したい。
驚くような荒れ方はしないと見て、馬連で堅く勝負。

【エセアスリートの日課】
スイム 1200m

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21年分のありがとう(続き4)

【ラジオデイズ】

はじめてAVANTI出店の麻布十番祭りの売り上げは
なんとアイスクリーム約30個。それなのに2年目は
どうしよう、というのが懲りないスタッフである。
誰が言ったのか「祭りは炭水化物だ」という黄金の
法則があるらしい。そして真夏でも辛いものだと
食欲を刺激するし、飲み物はすすむのではないか。
「ペンネアラビアータなんてどうだろう…」
会議で口走ったところ、賛否両論くっきり別れた。
「そんな知名度のない(当時は)、いちいち説明が
必要なメニューでは、誰も立ち止まらない」とか、
「レストランで食べるのならいざ知らず、立って
持ち運んで食べるのには向いていない」「だいたい
シェフが作って祭りに持っていくまでにペンネが
のびてしまう」などなど、もっともな意見だ。
しかし他のお祭りならばともかく麻布十番祭りは、
ワールド・バザールで各国の料理が楽しめたり、
商店会のお店が凝った料理を出したりしていて、
それくらいのインパクトがないと勝負できないはず。
前年と同じ桂亭の前にブースを作り、ソースと
茹で立てのペンネを仙台坂の上から、持ってくる
ということで2年目の出店が決まった。
お天気に恵まれてお祭りの人出も上々。飛ぶように
売れる「ペンネアラビアータ」。ピストン輸送の
料理スタッフは、鍋でヤケドしたり汗だくだが、
誰も文句を言わない。だって芳名帳を置いてみたら
北は北海道から、南は九州まで、AVANTIをめざして
わざわざやってきたお客様がいらっしゃるのだから。
「辛いソースのマカロニね」などとAVANTIの事を
知らない人も買っていき、レストランのペンネが
なくなって、業者以外からも補充しての完売。
「麻布十番祭りはAVANTIでペンネアラビアータ」
という一つの名物が95年夏に誕生したのである。

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人間対コンピュータの戦い

【零細馬主で馬券下手】

知能の戦いの象徴として人間対コンピュータの対決は、
最初にチェスで決着がついた。コンピュータが初めて
人間と対戦したのは1960年代後半。その当時の強さを
「レーティング換算」すると、チェス人口の90%は、
コンピュータに負けるそうだ。'97年に人間を負かした
電脳チェス「ディープブルー」は1秒間に1億9700万
という手を考えられたそうで、その時点で勝負あった。
先日プロ棋士がコンビュータに負けたと評判になったが
チェスと将棋の。2つのゲームの世界的知名度の違いで、
来るべき結果が来たというだけ。今さら大騒ぎするほど
でもないのではないか。その方面には疎いので、負けた
プロ棋士のブログが炎上したと聞いて、そんな反応を
する人がいるのかと驚いた。
それよりも最近気になるのは競馬の3連単の配当だ。
どうにも昔より低いような気がしてならないのである。
馬券で30億円の払い戻しを受け、外れ馬券を経費として
認められず、一時所得の申告漏れにより、利益分より
大きな金額の納税を求められた裁判が進行中。
この件に関しての法律的な解釈や、払い戻しのあり方に
ついての考え方は、言及している人たちに任せるとする。
何よりいろいろなファクターを統合して予想を導き出す
「多変量解析」では、人間が考えるより、こうした主観
な雑念が入らないコンピュータによる結論の方が正確。
単複や馬連よりさらに高度な計算が求められる三連単は
コンピュータにとって期待値を越す買い目をあぶり出す
という作業まで含めて、お手のものと言えるだろう。
本来は三連複の6倍が三連単の平均配当となるはず、
というのが「大数の法則」から導き出された結論だが、
実際にはそうはなっていない、という話を聞いた。
それから考えると人間の予想の無駄を排除した緻密な
予想がおそらくコンピュータによって行われている。
それを肝に銘じG1戦線に立ち向かわなければならない。

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