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伝説の「Grand Ole Opry」公開生放送を見る

【ラジオデイズ】

FEN(現在のAFN)で洋楽を貪るように聞いていた70年代、
しばしばカントリーのヒット曲がチャートインしていた。
でも「Grand Ole Opry」という番組はある種古臭いショー。
何となく聞いていたが、まず何を言っているのかわからない、
観客の笑いのタイミングにもついていけない公開番組だった。
スタートが1925年というから、90年あまり続いている、
おそらく世界でも類を見ない長寿番組である。メイン会場が
移転しても、番組アイコンともいえる「ライマン公会堂」で
冬場は公開生放送をやっているというので、チケットを入手し
ナッシュビルのダウンタウンにあるその会場に行ってみた。
そこは近年リニューアルされているものの、もともとが教会
ということもあり、観客席とその床はまるで通っていた高校の
礼拝堂と同じ雰囲気。伝統を感じさせる佇まいである。
フォークグループとして活躍した芝川又美先生が唄うと、
みんなが床を踏み鳴らす、いやいや本物がこの会場であって
ラジオのオンエアでは聞こえなかった足踏み音が心地いい。
僕がラジオで仕事を始めた頃にはすでに「過去のもの」と
なっていた生放送での「アナウンサーによる生CM読み」。
メンバーと認定されたベテランが、今日デビューする新人や
旬のゲストを紹介しながら進行していく30分のセグメントが
最終的には、時間きっかりに演奏で終了する進行。
毎週の蓄積が90年だからこその「出来上がった構成」である。
とはいえドラムを使うのはカントリーじゃない、という時代も
あったそうだ。時代の変化により透明な防音パーテーションで
ドラムセットを囲って参加しているとか、バンドの転換では
下手ステージ袖に次の出演者が大量にスタンバイしていて、
生CM途中にわさわさと入れ替わるのは、実際見てみなければ
分からなかったこと。それでもグラミー賞中継とは違って、
セットの入れ替えと、舞台監督が見切れたりすることはない。
出演するミュージシャンの順番も含めて、計算され尽くした
舞台進行は公開生放送の原点であって完成形ではないか。
ほとんどが知らないアーティストとはいえ、全く退屈する
ことがなかった、休憩をはさんだ2時間15分だった。

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写真を撮るのも自由なのが面白い。

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