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January 2016

テネシーの夜も和牛がウリとは…

【ステーキは素敵だ】
ナッシュビルの「Kayne Prime Steakhouse」。
駅舎と反対側にある殺風景なロケーションも含めて、
「Music City」そのものでサザンホスピタリティが
あふれたダウンタウンとはひと味違うオシャレ感満載。
スペシャリテは前菜のカリカリベーコンの綿菓子乗せ。
メインの肉はでオススメされたのはやっぱり和牛。
でもドライエイジの、骨つきテンダーロインを
頼んだのだが、なんでもオハイオ州コロンバスの
Michael's Meatsという問屋のブランド肉だそうだ。
ブロイルした後にグリルされた肉塊はかなり分厚い。
外側の焦げ目があるが、かといって中身の火入れは、
完璧なレアだ。バターやわさびなど三種類のソースを
少しずつかけながら食べる事にした。でもそのままが
美味しくて、もったいなくも、ソースを残してしまう。
ナイフがすっと入り、肉汁がこぼれないのがさすが。
サイドメニューの芽キャベツの炒め物をばくばく食べ、
とうもろこしを運ぶ貨物列車がガラス越しに通り過ぎる
のを眺めながら、アルゼンチンのマルベックを飲む。
アメリカ南部にいるのを忘れてしまいそうでいて、
肉がしっかりとリマインドしてくれる一時だったが、
ここでWagyuだとそれも吹き飛んだかも知れない。

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伝説の「Grand Ole Opry」公開生放送を見る

【ラジオデイズ】

FEN(現在のAFN)で洋楽を貪るように聞いていた70年代、
しばしばカントリーのヒット曲がチャートインしていた。
でも「Grand Ole Opry」という番組はある種古臭いショー。
何となく聞いていたが、まず何を言っているのかわからない、
観客の笑いのタイミングにもついていけない公開番組だった。
スタートが1925年というから、90年あまり続いている、
おそらく世界でも類を見ない長寿番組である。メイン会場が
移転しても、番組アイコンともいえる「ライマン公会堂」で
冬場は公開生放送をやっているというので、チケットを入手し
ナッシュビルのダウンタウンにあるその会場に行ってみた。
そこは近年リニューアルされているものの、もともとが教会
ということもあり、観客席とその床はまるで通っていた高校の
礼拝堂と同じ雰囲気。伝統を感じさせる佇まいである。
フォークグループとして活躍した芝川又美先生が唄うと、
みんなが床を踏み鳴らす、いやいや本物がこの会場であって
ラジオのオンエアでは聞こえなかった足踏み音が心地いい。
僕がラジオで仕事を始めた頃にはすでに「過去のもの」と
なっていた生放送での「アナウンサーによる生CM読み」。
メンバーと認定されたベテランが、今日デビューする新人や
旬のゲストを紹介しながら進行していく30分のセグメントが
最終的には、時間きっかりに演奏で終了する進行。
毎週の蓄積が90年だからこその「出来上がった構成」である。
とはいえドラムを使うのはカントリーじゃない、という時代も
あったそうだ。時代の変化により透明な防音パーテーションで
ドラムセットを囲って参加しているとか、バンドの転換では
下手ステージ袖に次の出演者が大量にスタンバイしていて、
生CM途中にわさわさと入れ替わるのは、実際見てみなければ
分からなかったこと。それでもグラミー賞中継とは違って、
セットの入れ替えと、舞台監督が見切れたりすることはない。
出演するミュージシャンの順番も含めて、計算され尽くした
舞台進行は公開生放送の原点であって完成形ではないか。
ほとんどが知らないアーティストとはいえ、全く退屈する
ことがなかった、休憩をはさんだ2時間15分だった。

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写真を撮るのも自由なのが面白い。

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日本よりもカルトなWagyuが勢ぞろい

【ステーキは素敵だ】
サンフランシスコの「Alexander’s Steakhouse」。
まずメニューを見て驚いたのが和牛のカテゴリーである。
北海道、宮城県の仙台牛、群馬県、滋賀県の近江牛、
兵庫県の神戸牛、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県。
オーストラリアの但馬牛などもあるではないか。
勧められたのは北海道の「シャトー植苗」のもので、
凍るような極寒の中で肥育されているので脂身の質が高い
というのがウリだとか、それぞれの特徴が記されている。
日本でも産地表示はされていても、果たしてここまで
違いをプレゼンされてるかどうか。コミュニケーションを
スタッフと交わさない限り、こうした情報はないだろう。
もう一つは近大マグロの刺身とか、ハマチの刺身を、
ハラペーニョより辛いチリ、アボカドと柚子醤油などで
和えた小鉢、ブリオッシュトーストに牛テールの煮込み
バフンウニ載せ、などなどが前菜代わりで、枝豆なんぞ
はトリュフバターがけときたものである。
何もわざわざアメリカで輸出された日本食材を食べる
こともあるまい、と思いネブラスカ州のドライエイジの
ステーキを食べたのだが、これもまた焼き方がちと違う。
聞けば備長炭であまり高温にならないようにじっくりと
焼くのだという。神戸牛の盾がバーカウンターのそばに
あるけれど、シェフはLAのNOBUやパリのギーサボワに
いたこともあるれっきとしたアメリカ人で、その料理に
日本っぽさは微塵も感じられない。ミシュランの星を
なくしたこの店が、新しいシェフで挽回を期するという
ことなのだそうだが、お値段はミシュラン級だった。

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