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「Fake News」と「Alternative Fact」

久々に競馬でもステーキでもないエントリーだ。
大学での専攻はコミュニケーションで一通りのことを勉強し、
限りなく一次情報に近いところで禄を食んでいる立場から
学問的に「新時代」に入った、ということを感じる昨今だ。
政治とメディアについての研究で、必須ともいえるのは、
独裁政権などでの「プロパガンダ(政治的宣伝)」による、
民衆のコントロール。そして「デマゴギー(扇動)」である。
これらは新聞、ラジオ、テレビというマスメディアによって
無知な民衆を都合のよくコントロールし、時には熱狂的に
戦争に突き進んだことが検証され、反省をもって語られる。
20世紀はまさにそういう時代だったといえるだろう。
そして21世紀に入ってインターネットでさまざまな情報が
飛び交うようになり、こうしたマスメディアを使う「操作」は
不可能になったかに思われた。真実は隠されることなく、
ネットのどこかに存在し、それが発掘され拡散される。
ファイアーウォールで情報を遮断することがあったとしても
抜け道でいくらでもかいくぐれるし、サイバー攻撃などは
リスクの一つとしても、誰でもいつか真実を見つけられる。
ところが自分に都合のよい事実だけに触れたいという
欲求は為政者ではなく、大衆の方にあったのである。
SNSをはじめ、自分なりに情報をカスタマイズすれば、
自分に都合の悪い真実には触れることはない。
それを権力がわかりやすい単語にしたのが、タイトルの
「Fake News(嘘のニース)」と「Alternative Fact
(代わりの真実)」というわけだ。民主主義的な情報共有
ではカオスの中から真実を拾い出せない、そのうえに
リテラシーを持たない人々がやはり世の中の多数であり、
そこに旧来メディアへの不信があるので、簡単に世論を
コントロールできる、ということがよくわかる単語だ。
学問的にはひとつの大きな節目として今後も語られるで
あろう時代に突入したことだけは間違いない。

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