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カリスマブロガーとレビュアー

「食べログ」のカリスマレビュアーが過剰接待を受けていたという記事。おいしいもの好きな周囲で波紋を呼んでいる。
渦中のレビュアーについては面識もないし、そもそも点数で店に行くわけではないので、一般的なメディア論として「批評」と「感想」の違いについて考えてみたい。
ブロガーが接待を受けて問題にならないのに、レビュアーが問題になるのはなぜなのか、というとプラットフォームを自分の名前にしているか、「食べログ」に置いているかの違いから考えなければならない。
いずれも書くことに対する対価は無償なのだが、前者は広告やアフィリエイトなどで収入が見込めるのに対して、後者は運営側から原稿料が支払われるわけではない(と認識している)。
タダで原稿を書くモチペーションは、それをきっかけに収入を得る「文筆業」になるため頑張る、利益供与を受ける、そのどちらかになってしまうわけで、結局そうしたモチベーションを利用して、店舗からの広告収入を得る、というビジネスモデル自体が、そろそろ限界に来ているのではと思わざるを得ない。
「食べログ」は店舗の地図としてのみ利用しているので、レビューを参考にはしない。その理由はレビューが辛口を気取った「批評」をはじめアマチュアの「感想」でしかないものが、大半だからだ。
自分の仕事のひとつ「放送批評」ということでも、「感想」にならないようにひきしめていかなければならないと思う。
小林秀雄の「考えるヒント」の中に「批評」について言及されているのだが一部を引用すると「批評とは人をほめる特殊な技術。人をけなすのは技術ですらなく、批評精神に全く反する精神的態度である」という。件のレビュアーの「けなすレビュー」を、人気者だからということで放置したのは「感想」の寄せ集めでしかなかった、ということだ。

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