パリでヨーロッパの肉を喰らう
パリのステーキハウスでもっともよく知られるSevero。その日本の店を立ち上げた柳瀬さんが、パリに戻って自分のステーキハウスを始めると知ったのが去年秋。彼のヨーロッパの牛肉に対する情熱は、フランスでもノルマンディー、アイルランド、スペインなどにおよび、ボクが知らない世界の扉を開けてくれることもあり、開店したら必ず駆けつけると約束した。
12月に開店し、年が明けて訪れたVertus。個人的に最近パリでお気に入りのBoulogneの住宅街Billancourtという地区にある。アメリカのステーキハウスは、扇型のテーブルを囲む革張りのソファのような椅子がイメージだが、パリのそれはまさに簡素なテーブルに椅子という学食のような雰囲気。ランチに食べる気軽な定番料理がステーキとフレンチフライだから、ここも昼にはご近所さんで賑わうそうで、お子さまメニューまであった。
とはいえ肉に関してはは本格的で、スペインのガリシア産50日熟成のサーロインが輝いているので、早速それをオーダー。2人分1kgが基本だが、お願いして半分を頂くことに。ブルターニュの野菜、リードヴォーなどいろいろな前菜などツマミに、ヴォーヌロマネをちびちびやるうち、お待たせしました、と木のプレートに乗ったステーキがやってきた。
外はカリッと焼けているが、中心部がねっとり舌にまとわりつく。これこそが熟成肉の醍醐味だ。醍醐は古来ヨーグルトだというから、発酵の旨味こそ醍醐味と言えるだろう。顎を使って噛みしめつつ、到着の夜で胃が疲れているかも、などと筋っぽい脂身を切り分けて損をした。全く問題なく食べられたのに…。10歳くらいの牛との事で、これは日本には現在の決まりだと入って来ない肉なのだ。
和牛を出さないのか、とフランス人に言われるそうだが、日本で食べられないヨーロッパの肉にこだわりたいという。これ試すためには、2か月くらい前から相談してパリに来る時は必ず訪れたいと思う。
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