【ステーキは素敵だ】
アメリカのステーキといえば「コーンフェッド」、つまり飼料にトウモロコシ飼料を使った牛肉が一般的。特徴はとうもろこしの甘みが肉に乗るというのが最もわかりやすい表現だが、特に熟成を経たものはうまみ成分とともに脂の甘みも味わえるということで人気だ。実際のところボクがアメリカのステーキハウスめぐりを始めたのは、この肉に出会って日本のステーキと全く違う、と思ったからに他ならない。
とはいえ近年この「コーンフェッド」は必ずしも健康な牛を育てていないのではないか、という観点からより自然に近い牧草を飼料にした「グラスフェッド」が流行り始めている。工場のようにシステマティックな飼育ができないので、手間も場所も時間もかかるのだが、アメリカ以外のほとんどはこちらが主流。USDAという牛肉の評価システムで最高級のものと値段的にも変わらない。特に西海岸のスーパーでよく見かけるようになった「Harris Ranch」というブランドが、ロサンゼルスとサンフランシスコの間に牧場を持ち、そこにレストランとホテル、売店が併設されている。
食したのは骨つき24オンスのCowboy Cut Rib Eye。牧草が飼料中心とはいえ、最終的には穀物で肥育する、ということでしっかりと甘みはあり、骨の間際の肉を削ぎ落とす時もダイナミックに味わえるのがいい。何より「産地直送」だけにお手頃な価格、というのは素晴らしい。最近アメリカの好景気のおかげで、感覚的には外食の値段が3割から5割あがったような気がするが、まさに10年前のお値段という感じだった。
レストランを出るときよく競馬の厩舎にいるジョッキーの人形を発見。バーが「蹄鉄」という名前だったので能書きを見ると、なんと全米年度代表馬エクリプス賞に2度輝き、ドバイワールドカップも制した2冠馬カリフォルニアクロームの生まれ故郷ということが判明。まさにブログタイトルのような場所だった。
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