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精肉士という仕事

ステーキといってもなかなかひと言では語り切れない奥の深い世界だが、いわゆる「お肉屋さん」の作業で、一般的に食べる客があまりお目にかからないのが肉を切り分ける作業だ。この工程には枝肉という皮や内蔵を外したものから、部位ごとに外していくものであって、食べる大きさにカットするものではない。世界のあちこちでステーキを食すると、その部位の切り出し方に民族性のようなものを感じるようになる。

またその切り分け作業をし、熟成させる目利きの「精肉士」という人がクローズアップされるようになったことで、ステーキの新しい時代がやってきた。「お肉屋さん」が開いているレストランは「問屋の直売」のように、流通の過程がひとつ少ないことで値段が安くなるという期待と、その「精肉士」の存在が明確だ。

パリのステーキレストラン「Severo」はそうした中でも、ウィリアム・ベルネさんという「精肉士」でもあるオーナーの存在が際立った店だ。ここで薫陶を受けた日本人が次々と日本でそのステーキ文化を広めようとしているが、日本での直営店ともいえる西麻布の「Le Severo」とその姉妹店目黒の「Cellar Fête(セラフェ)」がまずは思い浮かぶが、目黒の店にそのベルネさんがやって来るというので訪れてみた。店舗を切り盛りするのはもともとパリの肉屋さんで働き、日本で恵比寿に「HUGO DESNOYER」をオープンする時の店長でもあった齊田武さんで、ベルネ氏の骨を外して切り分ける実演に解説を加えてくれた。

一番興味深かったのがフランス語で牛肉がおいしい、という状態の表現に彼が「Acide」という単語を使ったこと。直訳すると「酸味がある」という意味だが、日本の概念の「酸っぱい」とは明らかに違うようだ。何となく「アミノ酸」という言葉を連想して「旨味」のことかな、と質問してみたが、それもまた違うようだ。齊田さんの解釈によればフランス人は「肉の血」を子供の頃から当然のように味わう文化なので、その事ではないかということ。熟成肉でよく言われる「ナッツの香り」とか「食べた飼料の香り」とは異なる概念がある、というのもなんとも興味深かった。

 

William 

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