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訃報

1月13日土曜日の朝、母初子が亡くなりました。6年前から高槻市の介護施設にお世話になり、去年1月から特養に移ってほぼ1年間、死因は老衰で享年88歳でした。16日に親族のみでお別れをし、荼毘に付しました。翌17日には生前からの希望でボクが生まれる前に亡くなった、祖母小原ハマノと同じ京都西本願寺の大谷本廟に納骨、親鸞聖人のもとに旅立ちました。供花香典についてはご辞退しましたし、今後もお気持ちのみを西本願寺に向けていただけるとありがたいと存じます。
ここしばらく関西に行くのは母のことがメイン。特に夏に一度体調を崩して以来かなり衰弱し、施設からの電話にびくびくしながら過ごしていました。穏やかな正月が一段落したところでの最期。離れて暮らすようになってかれこれ40年。東京の食べ物には口が合わず、関西で一人気ままに過ごしていた時期が長かっただけに、今までよかれと思ってやってきたことが、どうだったのかよくわかりません。そして入所のため実家を畳んでからは、いつかこの日が来る、ということがどこか頭から離れず、正直なところ気が重い日々でした。
昭和一ケタ世代だからなのか、モノに対する執着心が強く、しかも何でも取っておく。実家を畳む時にあんなにバサバサ片づけたのに、それでもトランクルームを借りざるを得ず。今は必要書類を探し出したり、手続きが精いっぱいで、当面整理が続くことになりそうです。もともと看護師の資格を陸軍病院で取り、企業の診療所などで働いていたのですが、子供の頃から聞かされていた、いろんなあいまいな話が、事実を記載した書類やメモからクリアになっています。今際の際まで手元に取っておいたものが、まるでタイムカプセルを開けたように出現し饒舌に語りはじめるかのよう。とはいえそこでどう思っていたのか。理路整然とした文章、感情をぶつける文言のいずれも書く人ではなかったので謎のまま。それはそれでよいのかも知れません。
ボク自身は物心つくかつかないかの時期に父方の祖母と祖父が亡くなり、葬式や法事で説法を聞くことが多く、今回のことで当時から培われた自身の死生観を再確認しました。「朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり」という浄土真宗中興の祖蓮如の言葉で、自分に叩き込まれたようなフレーズです。形あるものははかなくも消えるという「無常」を説いた言葉だが、先に逝くものが残されたものに命がけで教えることで、それを嘆き悲しむのではなく、教えてもらったことに感謝し精一杯今を大切にする。半世紀前と同じ説法だと思うのだけれど、還暦も近い歳になったことで少しは実感を持って理解することができたのかも知れません。

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ペットボトルのキャップ回収の是非

ペットボトルのキャップを集めるというボランティアが
あり、お客さんも多い弊社のスタジオではボトル本体と
切り離したキャップをまとめている。立ち寄り先に
大きな収集BOXがあるので、ついでに持っていこうと
思っていたのだが、最近このリサイクルは大変な無駄
ではないか、という話を聞いてちょっと調べてみた。
回収されたキャップは再資源化事業者が購入して、
それからコンパネ(コンクリートパネル)、PPバンド、
チリトリなどを製造していて、今後用途開発がの予定。
「20円で1人分のポリオワクチンが買える」と、
うたわれている。活動が本格化して3年で20億個
回収された。800個のキャップで20円分となるので
5000万円分が寄付された事になる。しかしながら
実際には事務方の管理費がかかるので、3360万円
寄付されている。とはいえ当然寄付先「世界の子どもに
ワクチンを日本委員会」にも管理費がかかる訳で、
2009年の実績では、約56%がワクチン供与活動費
当てられていた。本当の寄付額はその半分強なワケだ。
立ち寄り先で見た回収BOXは60リットルなので、
満杯で3500個が入るそうだが、これで約30円分、
ポリオワクチンが1.5人分である。さらに配送ルートは
一般の物流で、メーカーがリユースするならともかく、
リサイクルして換金し、事務経費が二重にかかり、
というのでは確かにずいぶん遠回りな構造だ。
ベルマークを集めるように学校ぐるみで取り組むなど
一生懸命やっている人には申し訳ないが、ボク自身は
集めたキャップは自治体のプラスチック回収にまわす
方がいいなと思った。

【エセアスリートの日課】

バイク 15km
スイム 1800m

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He's out of my Life

こんなにマイケルの事が好きだったとは思わなかった。
今の偽らざる心境である。自分が一人暮らしを始める
そんな時期に彼もファミリーから独立。とはいえ
ここのところは醜聞の方が多く、すっかりご無沙汰だ。
ニューヨークの空港で、兄ジャーメイン・ジャクソン
の消息を見たのが今週のアタマで、その事実を番組前
スタッフに見せていた。ところが午前6時30分すぎ、
マイケルが心停止状態で、病院に搬送されたという、
第一報が入ってきた。ニュース・ソースがゴシップの
サイトなので慎重に対応しようとすると、全米で、
つぎつぎに死亡の記事が配信され始める。未確認でも
信頼できる情報と判断して、6時40分に第一報。
そして50分過ぎにソースを明らかにして死亡情報を
番組で入れる。テレビはNHKの7時のニュースで
解禁されて、そこからは事実確認と裏付け調査に奔走。
同時にLAの番組特派員をはじめ、現地メディアなど
とにかく取材と電話をかけまくる。民放テレビや、
ネットサイトでも取り上げられるようになった時間で
現実を受け止めるが、本人に会った人が少ないため
ブッキングに難航する。番組終了直前で「BAD」
当時のEPICレコードのディレクターのS氏に電話が
繋がって、最終的に巨星の人となりが明らかに…。
きっと凡人にはお友達にはなれなかった。それでも
発信し、消耗し続けた人生。しかも若い晩節は試練の
数々で、さらにその心を閉ざすには十分である。
沢山の電話をつないだ皆さん、それでも番組に参加
していただけなかった皆さん。本当にありがとう。
あらゆる呪縛から解き放たれたマイケル。
どうか安らかに。

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恩師の訃報

高校の古文の先生で、大宅壮一ノンフィクション賞の
初回受賞者でもある、尾川正二先生が亡くなられた。
ニューギニアで九死に一生を得るという体験をされ、
不真面目でやんちゃな高校生相手にしても、超然たる
態度で淡々と授業を進めていたことが思い出される。
「中国には見るという漢字が何百もある。例えば目の上に
手を乗せて遠くを見るというから看板の看という」
「私はニューギニアの戦争体験で、見るべきものは見つ
という風に思っている」「生還の還という字はぐるりと
まわって帰ってくるという意味なんだ」などなど。
「試験の答案で手も足も出ないという意味で最初に
達磨を書いた奴は100点だ。真似した奴は0点だ」
言葉を一つ知る事は世界が一つ拡がる事だと言い続け
個人的にもドナルド・キーンをはじめ、いろいろな
本を勧めてくれたのも、尾川先生。そういえばバスに
乗って読んでいて、乗り過ごしてしまう程面白かった
といわれていた「梁塵秘抄」は未読のままである。
恐らく尾川先生に会わなければ、モノを書くことを
生業にできなかったのでは、とも思う。
「原稿の書き方」という30年前の新書をもう一度
読み直してみようと思う。

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社会保険庁歴代幹部が国庫に寄付へ

年金記録漏れ問題で、政府が歴代の厚生・厚生労働次官と
社会保険庁長官OBらに今夏の賞与(ボーナス)相当額の
国庫への寄付を求めている。また9割を超える一般職員も
賞与の自主返納をする予定。社保庁長官OB全員が寄付に
応じ、次官OBは14人中6人が拒否しているという。
幹部には国に対して寄付をしろという。しかし退職金を
沢山もらって、別の組織に天下りしている人にとっては、
ボーナス相当額を寄付したところで、そんなにフトコロは
痛まないだろう。しかも国庫への寄付は所得から損金と
して控除されるので、最高50%は税金の還付対象になる。
つまりは額面の半額しか寄付していないことになる。一方
自主返納する一般職員には税務上のメリットはない。
まさに社保庁上げての「みそぎ」を、政府が強要した形
なのだが、給料を返す事と年金照合をちゃんと行なう
という事は別次元の問題だろう。しかも国庫に納付だから
どう使われるかは特定されない。
我々は馬券を買うと、その分の10%は国庫に自動的に
支払う形になっているが、損金として扱われることはない。
有意義に国庫に納めるつもりなら、ボーナス分の10倍の
額を地方競馬の馬券購入にあてていただきたい。そこで
儲かるか、損するかは、一般庶民との勝負である。
年金照合漏れステークス。ぜひ受けて立ちましょうとも。

【エセアスリートの日課】
バイク 15km
晴れ間をついての通勤プラスα

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電気用品安全法の記者会見(続編)

3月14日の記者会見後に経済産業省で動きがあり、適用除外対象
の電気楽器のヴィンテージは1989年を境にしてそれ以前の
ものを指定するようだ。しかし中古楽器の指定除外を一律に
求める前回の主張は受け入れられず、新たに「家電製品一般
について中古品の指定除外を訴える」という趣旨で記者会見が
行なわれた。今回は坂本龍一氏が出席し「音楽家達が騒いだ
ので、楽器を除外すれば済む、という意図がミエミエ」と
痛烈にその対応を批判。人によって価値観の違うヴィンテージ
に対する線引きについて、松武秀樹氏に経産省から相談が
寄せられ、それを不可能と断った経緯が明かされた。そこで
あくまで2001年以前に製造されたPSEマークのついていない
全ての中古、新古の電気製品(音楽家にとって録音機材など
もあてはまるが)について、販売時もしくは出荷時の安全規格
等に準拠していれば、中古品流通についてのPSE法規制除外
を要望し、23日午後に経済産業省に申し入れる事を発表。
中古品リサイクル業者は、小規模業者が多く、この活動には
個人として賛同の声が寄せられているにすぎないが、
「これをきっかけにムーブメントがおきる事を期待する」
という東儀秀樹氏のコメントもあった。
アメリカのシンセサイザー関連サイトをつぶさに調査して、
1989年をヴィンテージとそうでないものの区切りとする
ことにしたというが、全く意味不明です。
会見はプロデューサーの椎名和夫氏の「出席している
メンバー5人でバンドを結成します」とのジョークで終了。

P3230002
会見する坂本龍一氏

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電気用品安全法はPSE法へ

急に降って沸いたような「電気用品安全法」の施行。これに
音楽業界の人間が、特にシンセサイザーを使うミュージシャン
を中心に中古品の適用除外を求めた、署名運動が起こった。
そして今朝ヴィンテージは除外するという発表があり、それを
受けての記者会見に出席する。法案自体が成立したのは、
ずいぶん前で、よくわからないうちに去年の11月に中古品に
適用し売買を中止するというところ。そして何がヴィンテージ
で、何がそうでないかの線引きがあいまいなこと。これが
今回の最も不可解な問題点ではあるまいか。ヴィンテージの
除外は、坂本龍一氏をはじめとする著名人が旗振り役をした
事でメディアが取り上げた事への、ドロナワ的な逃げでしか
なく、それでは白物家電はどうなるのか、等の不透明な部分は
まだまだぬぐい去れない。

【エセアスリートの日課】
バイク 15km

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