ステーキハウス

電磁調理のステーキ

【ステーキは素敵だ】

最近低温調理が語られる事が多い。実際にちょっとググってみるだけでも、ステーキを50℃〜60℃で専用の低温調理器で、ある程度の時間調理するレシピや比較がいろいろと出てくる。さながら科学の実験のようでなかなか興味深い。この調理法で唯一やってみたのが、バードランドの和田さんがフランスで聞いてきたという、最小限のとろ火でフライパンの上で肉塊を転がしながら1時間焼く(あっためる)というもの。
とはいえ時間がかかる方法なので、かといって自分で低温調理装置を購入する気にはなれず、話を聞くばかりで、ことステーキとなると昔ながらの高温調理をずっと食べてきた。

何かとつながりのある食べる事が好きな知人が、一念発起して「カフェテラオ」をオープンしたので行ってみた。厨房は電磁調理器で全てまかなっているという。もちろんステーキをそれで焼くと言うので、350gぐらいのシンシンをステーキでオーダーした。工学部出身だけに焼き色をつけるのにこの時間で、裏替えしてこれくらいの時間、そしてブランデーでフランベして香りをつけて、肉を休ませる。火勢が不安定で温度管理はカンに頼らざるを得ない炭火や薪とは違って、アメリカで主流のオーブンでブロイルするよりも、さらに時間が短縮できてなおかつ計測どおりに調理をすすめていく低温調理に近い方法だ。
見せてもらえば誰にでもできることとはいえ、肉の部位によってその時間を算出するのは当然調理側のノウハウで、それだからこそ外食する価値があろうと言うもの。柔らかく焼き上ったステーキは「塩が少なめなのでお好みで」ということだが、調理前に塩を振り過ぎると肉汁が出過ぎる、という失敗をした事があるので、キレイなお皿で塩を振り振りペロリと食した。

日本のステーキは一般的に値段が高く、アメリカはもともと肉が安いからステーキハウスはアメリカばかり、というこのカテゴリーは特にコロナ以降更新が滞っているが、そんな値段でいいんですか、というお会計で目新しいものを見た気がする。もちろんステーキハウスじゃないけれども、グランドメニューにあり、がっつり食べたい時に決して裏切らない、ということでリストに入れることにした。

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リニューアルされたホノルルのショッピングセンターで肉を食らう

【ステーキは素敵だ】
ホノルルのメインストリート、ワイキキビーチのからすぐの場所にある「インターナショナルマーケットプレイス」は、久々にオアフ島で過ごすことになってびっくりするほどの変貌を遂げた。素朴な昔の面影は全くなく、有名な「アラモアナショッピングセンター」が今年で60周年、ということで未だに君臨はしているものの、ちょっとブランドが集まるモールということでいえば、なかなかのラインナップの店が入っている。その3階(屋上)のレストラン街にあるのが、料理人のアワード「ジェームズ・ビアード」を受賞したマイケル・ミーナのステーキハウス「Striphouse」だ。この系列はラスベガスではじめて話を聞いて、行きたい店のひとつではあったが、適度にカジュアルで、クロスオーバーな感じが、いかにもアメリカっぽい。
以前にも書いたハワイでの牛肉の地産地消がその一歩を踏み出している、という事実は横に置いておいて、本土からの24ozくらいの骨付きのリブロースを時差ボケの胃袋に掻き込むというにはぴったり。それでもグラスフェッドで肥育のみを穀物という熟成肉を手軽に食べたのは、ディナーの後で、沖縄で言う「〆のステーキ」のようなもの。それでもペロリと食べられるというのが、なかなかなものだった。もちろんウルフギャングやルースクリスのような王道チェーンもあるけれど、マイケル・ミーナのステーキハウスはNYCにはないので、そんなちょっと変わった店、を探しているハワイのリピーターという方にはオススメできる店だろう。

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住宅街のステーキハウス

【ステーキは素敵だ】
ほとんど日本のステーキハウスの記事を載せないせいか、日本で食べるならどこがおいしいですか、と質問されることが多く、また答えに窮することも多かった。アメリカのステーキハウスの日本の支店、というのも最近では多くなり、検疫の関係などで一時期よりは「ホンモノ」が食べられる、ともいえる。しかし値段が本国の倍、というのでは、来日ミュージシャンの公演チケットみたいで、どうなんだろうと思う事も多い。
そしてヨーロッパでの熟成肉に関しては、いきおい高齢の牛を使うということもあって、日本に入って来る条件としての年齢を満たしていない場合がほとんどなので、特殊なイベントでもない限り日常でそのステーキ肉にめぐりあう事はないだろう。
それでは日本でそうした肉を流通させているところを調理しているなら間違いがない、となるのだ。ひとつには前述のサカエヤ、そしてもうひとつが北海道のエレゾである。その両方を扱う店が井の頭線の西永福駅の北口にできた「le meuglement(ムーグルモン)」である。店主の中森さんは「カルネヤ」「祥瑞」にいたということで察しがつく通り、これから焼く肉を見せてもらい、がっつりとビオワインでいただくというスタイル。一人で切り盛りしているので、すっかり口コミが評判を呼んで瞬く間に予約がなかなか取れない店になってしまった。
ねっとりとして熟成感のあるステーキ肉はなかなか食べられないので、わざわざ行く価値もあるのだが、できればご近所でふらっと寄れるような店だとありがたいなぁ、と思う。

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精肉士という仕事

ステーキといってもなかなかひと言では語り切れない奥の深い世界だが、いわゆる「お肉屋さん」の作業で、一般的に食べる客があまりお目にかからないのが肉を切り分ける作業だ。この工程には枝肉という皮や内蔵を外したものから、部位ごとに外していくものであって、食べる大きさにカットするものではない。世界のあちこちでステーキを食すると、その部位の切り出し方に民族性のようなものを感じるようになる。

またその切り分け作業をし、熟成させる目利きの「精肉士」という人がクローズアップされるようになったことで、ステーキの新しい時代がやってきた。「お肉屋さん」が開いているレストランは「問屋の直売」のように、流通の過程がひとつ少ないことで値段が安くなるという期待と、その「精肉士」の存在が明確だ。

パリのステーキレストラン「Severo」はそうした中でも、ウィリアム・ベルネさんという「精肉士」でもあるオーナーの存在が際立った店だ。ここで薫陶を受けた日本人が次々と日本でそのステーキ文化を広めようとしているが、日本での直営店ともいえる西麻布の「Le Severo」とその姉妹店目黒の「Cellar Fête(セラフェ)」がまずは思い浮かぶが、目黒の店にそのベルネさんがやって来るというので訪れてみた。店舗を切り盛りするのはもともとパリの肉屋さんで働き、日本で恵比寿に「HUGO DESNOYER」をオープンする時の店長でもあった齊田武さんで、ベルネ氏の骨を外して切り分ける実演に解説を加えてくれた。

一番興味深かったのがフランス語で牛肉がおいしい、という状態の表現に彼が「Acide」という単語を使ったこと。直訳すると「酸味がある」という意味だが、日本の概念の「酸っぱい」とは明らかに違うようだ。何となく「アミノ酸」という言葉を連想して「旨味」のことかな、と質問してみたが、それもまた違うようだ。齊田さんの解釈によればフランス人は「肉の血」を子供の頃から当然のように味わう文化なので、その事ではないかということ。熟成肉でよく言われる「ナッツの香り」とか「食べた飼料の香り」とは異なる概念がある、というのもなんとも興味深かった。

 

William 

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グラスフェッドのステーキ肉を西海岸で

【ステーキは素敵だ】
アメリカのステーキといえば「コーンフェッド」、つまり飼料にトウモロコシ飼料を使った牛肉が一般的。特徴はとうもろこしの甘みが肉に乗るというのが最もわかりやすい表現だが、特に熟成を経たものはうまみ成分とともに脂の甘みも味わえるということで人気だ。実際のところボクがアメリカのステーキハウスめぐりを始めたのは、この肉に出会って日本のステーキと全く違う、と思ったからに他ならない。

とはいえ近年この「コーンフェッド」は必ずしも健康な牛を育てていないのではないか、という観点からより自然に近い牧草を飼料にした「グラスフェッド」が流行り始めている。工場のようにシステマティックな飼育ができないので、手間も場所も時間もかかるのだが、アメリカ以外のほとんどはこちらが主流。USDAという牛肉の評価システムで最高級のものと値段的にも変わらない。特に西海岸のスーパーでよく見かけるようになった「Harris Ranch」というブランドが、ロサンゼルスとサンフランシスコの間に牧場を持ち、そこにレストランとホテル、売店が併設されている。

食したのは骨つき24オンスのCowboy Cut Rib Eye。牧草が飼料中心とはいえ、最終的には穀物で肥育する、ということでしっかりと甘みはあり、骨の間際の肉を削ぎ落とす時もダイナミックに味わえるのがいい。何より「産地直送」だけにお手頃な価格、というのは素晴らしい。最近アメリカの好景気のおかげで、感覚的には外食の値段が3割から5割あがったような気がするが、まさに10年前のお値段という感じだった。

レストランを出るときよく競馬の厩舎にいるジョッキーの人形を発見。バーが「蹄鉄」という名前だったので能書きを見ると、なんと全米年度代表馬エクリプス賞に2度輝き、ドバイワールドカップも制した2冠馬カリフォルニアクロームの生まれ故郷ということが判明。まさにブログタイトルのような場所だった。

 

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パリでヨーロッパの肉を喰らう

パリのステーキハウスでもっともよく知られるSevero。その日本の店を立ち上げた柳瀬さんが、パリに戻って自分のステーキハウスを始めると知ったのが去年秋。彼のヨーロッパの牛肉に対する情熱は、フランスでもノルマンディー、アイルランド、スペインなどにおよび、ボクが知らない世界の扉を開けてくれることもあり、開店したら必ず駆けつけると約束した。
12月に開店し、年が明けて訪れたVertus。個人的に最近パリでお気に入りのBoulogneの住宅街Billancourtという地区にある。アメリカのステーキハウスは、扇型のテーブルを囲む革張りのソファのような椅子がイメージだが、パリのそれはまさに簡素なテーブルに椅子という学食のような雰囲気。ランチに食べる気軽な定番料理がステーキとフレンチフライだから、ここも昼にはご近所さんで賑わうそうで、お子さまメニューまであった。
とはいえ肉に関してはは本格的で、スペインのガリシア産50日熟成のサーロインが輝いているので、早速それをオーダー。2人分1kgが基本だが、お願いして半分を頂くことに。ブルターニュの野菜、リードヴォーなどいろいろな前菜などツマミに、ヴォーヌロマネをちびちびやるうち、お待たせしました、と木のプレートに乗ったステーキがやってきた。
外はカリッと焼けているが、中心部がねっとり舌にまとわりつく。これこそが熟成肉の醍醐味だ。醍醐は古来ヨーグルトだというから、発酵の旨味こそ醍醐味と言えるだろう。顎を使って噛みしめつつ、到着の夜で胃が疲れているかも、などと筋っぽい脂身を切り分けて損をした。全く問題なく食べられたのに…。10歳くらいの牛との事で、これは日本には現在の決まりだと入って来ない肉なのだ。
和牛を出さないのか、とフランス人に言われるそうだが、日本で食べられないヨーロッパの肉にこだわりたいという。これ試すためには、2か月くらい前から相談してパリに来る時は必ず訪れたいと思う。
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すき焼きの地でステーキに賭ける情熱を味わう

【ステーキは素敵だ】
「熟成肉」というワードがポピュラーになったここ数年。10年以上前からアメリカで「エイジングビーフ」のステーキを食していたボクにとって、塊肉を食す文化が受け入れられるかも、という期待がありつつ、日本では多くが「熟成ではなく腐敗」という事実にがっかりすることにもなった。大阪で生まれ「肉といえば牛肉」という文化で育ったが、東京では微妙な違和感を感じて30年。はじめて熟成肉を売る肉屋「中勢以」を見つけたのが10年前の記事である。
よくいろんな人から「ブログで書いているステーキ屋は海外ばかりだけど、日本ならどこがいい」と聞かれるのだが、それは一番答えにくい質問だ。というのも自分の中でその正解は見つからず、アメリカから日本に進出したステーキハウスは内外価格差が甚だしい。自腹でちょくちょく行くなら、その分アメリカで新店を開拓したくなるし、新しい潮流は世界中で起っている。
昨今周囲の肉好きの間でも評判で気になっていたのが、滋賀県草津にある精肉店「サカエヤ」の存在。そしてその肉を使ったビストロ「SAISIR」が併設されたことで、がぜん興味を持っていた。機会があって南草津駅からバスで10分という店舗にランチで向かう。近江牛を育む土地柄に、瀟洒な建物が存在感を放っている。ランチとはいえちゃんと牛肉を味わいたく、当然コースではなくアラカルトをオーダーした。
「サカエヤ」独自のこだわりともいえる完全放牧野生牛の「ジビーフ」、そして近江牛のランプ肉をオーダーする。厚切りの肉を長州備長炭を使い、珪藻土の釜の中で焼くのに30分ほどかかるとのこと。サラダや自家製シャルキュトリーの盛り合わせなどの前菜を食べつつ到着を待つ。木のプレートに載って焼き上ってきた肉は、たっぷりとつけ合わせの野菜が添えられていて、見た目にも色鮮やか。かといって肉自体は決して重くはなく、合計500gくらいだが食べ飽きないのは、やはり肉質のよさたるゆえんだ。釜だから輻射熱も使って焼く、というやり方だが、いろいろな部位で焼き方には「正解がないんですよ」と村田シェフは話す。肉の旨味を噛みしめながらその余韻に浸ったのだが、焼き具合は外側の焦げ目がまさに自分好みだった。ステーキは焼き方を聞かれるのが一般的だが、一番おいしいと思われる焼き方を供するというスタイルは、海外では往々にしてあることだ。おそらくもう少しレアだと、肉の厚みが勝ってしまうだろうし、焼きがこれ以上入ると外側の焦げ目が気になるだろう。ただこのあたりは人によって好みはあるに違いない。
シャルキュトリーではブーダン・ノワール(血を使った豚ソーセージ)の臭みがほとんどないのに驚いたし、フロマージュ・テット(豚の脳の煮こごり)も、パリの肉ビストロと全く同じテイストだった。牛肉だけではなく、肉尽くしでオーダーしても外れがないのは、やはり精肉店が経営するからこそだろう。
いろいろなところで紹介されている代表の新保さんは「すきやきの地とはいえ食べたい肉を食べたい」というシンプルなポリシーを貫いている方だけに、ちょっとお話しただけでもいちいち納得。食べれば食べるほど、食べたい肉が増えていく「消費者」としての自分と、当然視点が違うのは新鮮で、強いメッセージが感じられた。
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肉をさばいて骨を断つ

焼かれた骨付き肉にナイフを入れて格闘 。最後に骨までしゃぶる、ということはTボーンやLボーンのステーキを注文すればよくあることだが、生の牛肉のブロック10kgを「骨抜きする」という機会に恵まれた。知っているようで知らない牛肉の骨の構造。いろいろな部位があるが、ある種基本とも言えるサーロインをさばくことになったが、微妙に残る骨の際の肉は、庖丁一本ではなかなかキレイに切り取ることができない。以前真剣にステーキ屋を開きたいと考えた時に「ランチにハンバーグをやって評判を上げる」というノウハウを聞いた。たしかにアメリカのように骨付き牛が大量に流通していて、枝肉から電動鋸でカットするならともかく、手でさばくのであれば、いわゆる「すき身」ができてしまうのは止むを得ない。それを再活用するためには、フランスでいうなら「タルタルステーキ」や「ステークアッシェ」などの
、機会でミンチにしないメニューが必然だ。今回は講師がイタリアンの料理人だったこともあり、ラグーにしてパスタソースで味わうということになった。
骨と骨の間にスッと庖丁を入れ、サーロインステーキの断面の部分が切り離すが、ここで躊躇するとその断面がギザギザになり焼きムラが出てしまう。そして骨にそって切り落とすのだが、こちらはスムーズにいく場所は骨からは離れて無駄が多くなる。かといって牛肉の骨は微妙に突起物がある形状なので、そこに筋や脂身や肉がこびりついていて、カットする頃合いはなかなか難しい。骨と骨はひとつひとつジョイントされているが、ここは手でねじるようにしてはずしてひと仕事が終了。熟成したものであれば、もちろんカビや腐敗している部分も含めて「掃除」をする必要があるし、結局10kgの塊肉とはいえ使える部分は6割程度。3〜4センチ程度の厚切りが数枚取って調理することになった。冷蔵庫から出して常温に近くなれば肉が柔らかくなり過ぎて切りにくくなるなど学ぶことが多かった。
結局肉好きを自称していても、魚でいえばパック入りの「刺し身」の状態でしか精肉に接していない、ということを思い知らされる体験だった。
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オージーのステーキ文化の神髄を知る

【ステーキは素敵だ】
シドニーのダウンタウン、奥まった場所にある「Kingsley」はいかにも雰囲気ある
老舗の一軒家風の佇まい。木のテーブルと椅子がいい感じの飴色だけれど
かといって脂っぽいイメージはなく落ち着きがあり、風格を感じさせる。
とはいえ壁にはステーキ1kgにチャレンジして、完食に成功した人々が
名を連ねていて決してお高く止まっているわけではない。オージーたちに
愛されるステーキハウスなのだと再確認することになる。
ここも当然グラスフェッドの熟成肉だが、肥育の段階で穀物を与えることで、
ストレートな赤身ではなく脂の甘みが引き立つ工夫をなされている。
正直骨付きリブアイ400gでは全然モノ足りず、1kgにチャレンジすれば
よかったと思うくらいの軽い仕上がり。店のメニューを見ればわかるが、
産地と飼料、肥育などのバリエーションが豊富で、しかもオープンキッチンの
ショーケースで焼く前の肉塊を確かめることができる、というのがいい。
アメリカばっかり向いてちゃダメだ、とばかりの主張がありつつも、地元民の
宝とも言える店なのだろう。再訪を果たしたらまず1kgチャレンジだ。

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肉屋のステーキハウスに外れなし

オーストラリアのゴールドコーストにある「Cav's Steakhouse」。
地元の牛肉生産者に紹介されたのだが、典型的なステーキハウスで、
駐車場をはさんで肉の小売りをしているところが何といっても頼もしい。
基本的に肉屋が営むレストランは、NYCの「ピーター・ルーガー」から、
松坂の「和田金」まで、その肉質には外れがないと断言していいからだ。
オージービーフというと、牧草で育てられるものの安価で、日本の食卓では
いわゆる日常遣いが殆ど。レストランというより気軽な食堂でのステーキ
というイメージに支配されていたが、ここは違った。レストランに入ると
すぐに大きなショーケースに入った肉塊が目に飛び込んでくる。
サンプルとしての熟成庫があるようなところもあるが、さすがは肉屋さん。
好みの部位をオーダーするとそこから切り分けてくれるという仕組みだ。
そしてここでも和牛は人気である。90年代に日本から神戸牛を持ち込んで
そこから拡げていったというが、赤身牛肉を輸出して、霜降り肉を輸入とは
なんいというパラドックスかという気もしなくはない。炭火で焼かれた肉は
熟成されているとはいえいい意味で野性味が溢れて、ステーキソースにも
負けない。これがホントのオージービーフなのだと実感した。

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